2022 Fiscal Year Research-status Report
Joint ionic control of strongly correlated oxides based on physics and chemistry methods
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22K14475
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
Li Haobo 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20938188)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 強相関酸化物 / イオン制御 / イオントロニクツ |
Outline of Annual Research Achievements |
今まで一年間の研究において、主にニッケル酸化物(ReNiO3, Re = Nd, Sm, Eu)を中心として研究を展開している。イオン液体と触媒ガス反応の組合を利用することで、水素化したニッケル酸化物(H-ReNiO3, Re = Nd, Sm, Eu)の薄膜合成、水素化の回復性、水素転移速度及びデバイス開発、Seebeck関数および熱伝導率の測定を完成した。主要な結果は下記の通りです。 1.【水素化によるReNiO3の結晶構造の変化および回復性】水素化した後、面外格子定数の膨張は発見された。その変化の程度は、Re元素の依存性があるので、その原因の解析は今後の研究内容の一つである。それに、水素化による膨張した結晶を加熱すると、元々の状態に回復できることを確認した。回復性を有する材料はデバイス設計には不可欠な条件なので、すべてのH-ReNiO3はトランジスタなどのデバイスに適用できることを明らかにした。その結果は、第69回応用物理学会春季学術講演会で発表された。 2.【H-ReNiO3の水素転移速度の調査】光学顕微鏡での観察とインピーダンス方法を組み合わせて、初めてH-NdNiO3の水素伝導率と活性化エネルギーを解明した上で、論文一報を発表した(Applied Physics Express 2023)。その結果に基づいて、水素メモリデバイスの開発を成功、第83回応用物理学会秋季学術講演会で発表した。論文も投稿された。 3.【水素化によるReNiO3のSeebeck関数の変化の調査】完全に水素化することで、NdNiO3とSmNiO3の電子伝導は大きく抑えられたので、Seebeck関数は抑えられたが、EuNiO3は逆に大きくなってくる。今論文と学会発表は準備中です。 4.新規な酸化物Sr4Co3O9の合成を成功した。2023年第70回応用物理学会春季学術講演会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心では、物理と化学の方法の「Joint control」を利用することで、新規の酸化物の合成及び応用の可能性を探索することです。材料の合成の方面、一年間の探索おいて、Sr4Co3O9の新規な酸化物を初めて合成、2023年度論文発表の予定です。水素化酸化物に調査・応用について、イオン液体(物理)と触媒ガス(化学)二つのアプローチで、シリーズのニッケル酸化物(ReNiO3, Re = Nd, Sm, Eu)の水素化を成功した。その結果に基づいて、初めて水素化したReNiO3のSeebeck関数及び熱伝導率を探索、水素メモリデバイス開発も進んでいる。この一年間、学会発表三回、論文発表一報、一報投稿中の実績から見ると、申請する時目的としての「材料合成」及び「材料応用」二つの方向の進展は順調だと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の結果により、NdNiO3は可逆的な4倍の熱伝導変化(水素化後熱伝導率は2 W/m・K)を発見、熱トランジスタには可能な材料と判断された。それに、EuNiO3では、水素化後熱伝導率は意外に大きくなったことは新しい発見、物理や化学的な興味があるかもしれない。その原因を深く理解、Seebeck関数をもっと大きく向上させるために、水素量を調整したサンプルのSeebeck関数を測定する必要がある。今年度、まず水素量を調整したH-ReNiO3薄膜のSeebeck関数の測定を行い、Seebeck関数のピーク値(目標~100 μV/K)を探す。次、水素化前後のReNiO3の熱伝導率の元素依存性をまとめ、メカニズムを深く分析する。その結果に基づいて、ON/OFF比は4倍以上を目指して、固体ゲートの熱トランジスタを試作しながら、熱伝導率をもっと抑える可能性を探索する。詳しくは、下記の通りです。 ①NdNiO3薄膜で熱トランジスタの設計を行って、チャネル部分を作る。②水素量(x)を調整したHx-ReNiO3(Re = Nd, Sm, Eu)薄膜合成、Seebeck関数を向上させる可能性を探索。③今まだ発見したSeebeck関数と熱伝導率における変化のRe元素依存性を解明、その原因を分析する。④共同研究者との十分な検討のうえ、設計したデバイス及び物性変化のメカニズムに関する論文・特許などを作成。⑤水素化したCo系材料の熱電性能を探索する。
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