2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Spatially Selective Visible Light Energy Conversion System
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22K14496
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南本 大穂 神戸大学, 工学研究科, 講師 (80757279)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プラズモニック光電変換 / 光電気化学 / 局在表面プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属ナノ構造への光照射により誘起される局在表面プラズモン共鳴に着目し、金属ナノ構造とワイドバンドギャップ半導体を利用した光エネルギー変換系の確立、およびその電荷移動過程の詳細解明による多色応答物質変換系の確立を目指した検証を進めている。実験では、金属ナノ構造をワイドバンドギャップのp型半導体に担持し、局在表面プラズモン共鳴の励起に伴い生成する電子正孔対の移動方向を制御することで、金属・半導体界面において還元反応を制御する系を扱っている。特に初年度の検証においては、異なる波長の光に応答する金属ナノロッド構造を半導体電極表面に担持し、多色光照射下においてその光学特性に応答した反応効率、および励起種の絶対電気化学電位を明らかにすることを目指した検証を行った。その結果、入射光の波長に依存した光電流の違いを確認し、光学特性の相関を確認した。それに加えて、担持する半導体のフラットバンド電位や入射光波長に依存して反応に関与する励起電子の電気化学電位が変化することを確認し、その絶対値に関する系統的な情報を得ることに成功した。これにより、望みの光誘起反応を制御するにあたって系の適切な設計指針を提案することが初めて可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、多色応答を可能にする金属ナノロッド構造の調製、およびそのp型半導体基板への担持による光誘起還元反応系の駆動を確認することを当初の計画としていた。本年度の早い段階で、金属ナノ構造とp型半導体から成る新たな光駆動還元反応系の確立を達成し、さらには、担持した金属ナノ構造の光学特性に依存した光電気化学応答特性も確認した。加えて、異なる反応を多色光で制御することで、その光学特性に依存して変化する励起電子の電気化学電位に関する定量的な情報を取得することにも成功した。この点は当初計画していた研究計画を超えて進展した点である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、初年度に得られた知見を基にして、まずは異なるp型半導体を用いることで、使用する半導体のフラットバンド電位に依存して変化する励起電子の電気化学電位に関する定量的な情報を取得することで、利用可能波長域の拡大を目指す。さらには、多色光に依存してその励起電子や反応の空間局在性が変化する構造を用いることで、白色光照射下において、異なる多段階反応を空間選択的に同時に制御することを目指す。以上の検証を行うことで、可視光のエネルギーを極限的に有効利用可能とする新たな物質変換系が確立されると期待している。
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Causes of Carryover |
初年度においては、研究が当初の計画以上に進展したため、実験に必要な消耗品の購入が当初の計画よりも少なく抑えられたために次年度使用額が生じた。次年度においては、生じた使用額は研究をさらに加速するための実験消耗品や半導体基板の購入、および成果報告のための学会参加旅費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)