2022 Fiscal Year Research-status Report
Carrier doping effect on room-temperature plastic deformation of oxides
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22K14517
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松林 康仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (20835938)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | セラミック / 機械特性 / 塑性変形 / 酸化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
耐熱性、耐腐食性で優れるセラミックは、金属と比べて硬く加工が難しい。nm-umスケールの微細試験では常温で塑性変形を示すもののバルク応用は困難であった。しかし近年、光キャリア励起のない暗闇下のmmスケールの半導体単結晶が常温で大きな塑性変形を示すと報告され、転位の運動におけるキャリアの影響が議論されている。本研究の目的は単結晶へのナノインデンテーションにより、酸化物における不純物ドープによるキャリアドープと光照射によるキャリア励起が常温の塑性変形にもたらす影響を明らかにすることである。 今年度はキャリアドープしたペロブスカイト型酸化物の機械特性の測定を行い、明確なキャリアドープ効果が観測された。現在、結晶中の欠陥の密度などを調べ、その機構について検討しており、当初計画に沿って概ね順調に遂行できている。 また、サンプル単結晶の作製の際に偶然発見された新物質についても調査を進めている。構造解析の結果、特異な配位のイオンの存在が確認されており、今後の材料設計にも寄与できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペロブスカイト酸化物の機械特性のキャリアドープ効果について新たな知見が得られ、論文につながる成果が得られている。また、特異な構造を持つ新物質も発見し、今後構造解析や物性素k津瑛を進めることで新たな酸化物材料の設計指針が得られると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は不純物ドープによるキャリアドープ効果については、ペロブスカイト酸化物以外の物質について行い、その構造に対する依存性を明らかにする。また、不純物ドープ以外にも光キャリアなど他のキャリアドープによる効果も検討する。新たに発見された新物質については構造解析と物性測定を進める。
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Causes of Carryover |
購入予定であった消耗品の単結晶基板などについて、弊所予算でいくつか購入できたため、その分が残額として生じた。この残額は今年度購入したペロブスカイト型酸化物とは異なる結晶構造の基板の購入やサンプル単結晶育成のための試薬購入に充てる予定である。
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