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2022 Fiscal Year Research-status Report

電極破断の精密化による単分子伝導度制御法の開発

Research Project

Project/Area Number 22K14566
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

小本 祐貴  大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90814210)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywords単分子計測 / MCBJ法 / 機械学習
Outline of Annual Research Achievements

単一分子を介した電流計測を行う単分子計測は、分子エレクトロニクスの実現、ナノ物性の計測、新規分析技術の開発など様々な分野において注目を集めている。しかし、単分子計測では、計測に用いる電極構造の制御が不十分であるために、精度よく単分子伝導度を決定できないという課題があり、この問題が単分子計測の実応用への展開を阻んでいる。そこで、本研究では、単分子伝導度を精度良く決定する手法を開発することを目的とする。
本研究では、精度よく単分子伝導を決定する方法の開発を、電極破断過程の解明、及び電極構造の制御の二項目に分割して行う計画である。今年度までの研究では電極構造の制御として、化学修飾を用いた分子識別能の向上を実証し、単分子接合構造決定のための手法として、機械学習を用いた新規解析手法を開発した。化学修飾による電極構造の変調により、従来の手法では識別できない分子を識別することができるようになった。また、機械学習を用いた新規解析手法により会合状態を検出し、さらに会合状態と判定されたシグナルをクラスタリングし、会合状態の種類数を決定した。
今年度の研究により、化学修飾を利用した電極構造の制御及び、単分子接合の状態決定が可能になった。これらの手法を応用によって電極構造を制御し、目的の単分子伝導度をとるための状態を識別することが可能になる。今後、開発した単分子接合の状態識別手法により、単分子接合の伝導状態を明らかにし、破断過程の制御手法を精緻化し、破断過程制御から目的の伝導状態を形成する手法を開発する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度までの研究で、単分子計測による分子識別精度を向上させる手法及び、未知の状態を検出、識別する手法を開発した。単分子計測時に電極を化学修飾することによって、電極―分子間の相互作用を変調させることによって、分子の持つ官能基による単分子電流シグナルが変化する。この変化したシグナルを取得し、機械学習分類器に学習させることで、従来識別できなかった単一分子を識別することが可能になった。化学修飾を用いることによって、単分子計測に用いる電極構造を制御及び変調させることによって、単分子計測の識別能を向上させた。本研究成果はChemistry-An Asian Journalに掲載された。
また、水素結合すると考えられる2種類の分子を含む溶液を単分子計測し、得られたシグナルを、機械学習を用いることにより二分子の会合状態を検出する手法を開発した。会合状態を検出するのみならず、会合状態と判定されたシグナルをクラスタリングし、情報量基準を用いて、会合状態の種類数を決定した。このような単分子計測シグナルを識別する手法は、本研究計画で提案した電極構造決定のために応用することが期待される。本研究成果はJournal of the American Chemical Societyに掲載された。
また、現在単分子計測の操作により伝導度変化が小さくなることが確認されつつある。新たな解析手法を用いることによって、電極構造が規定されるようになったことが示唆されている。

Strategy for Future Research Activity

これまでに、得られている単分子計測の操作の効果を定量的に評価するために、単分子計測時の操作を正確、精密に制御するために単分子電流計測システムの新たなセットアップを構築する。構築したシステムで単分子計測を行い、単分子計測の電極となるナノギャップ形成に最適な条件を検討する。研究開始当初は計測中における制御により破断過程の電極構造の制御を計画していたが、現在までに、単分子計測前の操作が計測に及ぼす影響が大きそうであるという結果を得ているために、計測途中の制御より計測前の実験条件を重点的に調査する。電流計測データの単分子伝導度領域をこれまでの研究で開発した機械学習を用いた解析手法を応用することにより、接合状態を特定する。破断過程から形成する接合状態を予測する機械学習モデルを構築し、破断過程の制御により、単分子伝導度の制御を行う。また、これまでの研究により化学修飾が電極構造を規定、変調させるために用いることができるとわかってきたため、化学修飾による電極構造制御も必要に応じて行う。

Causes of Carryover

購入する機器の在庫が少なく今年度に納入することができなかった。次年度に電流計測システム用の備品を導入する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Quantitative Microscopic Observation of Base?Ligand Interactions via Hydrogen Bonds by Single-Molecule Counting2023

    • Author(s)
      Takashima Yusuke、Komoto Yuki、Ohshiro Takahito、Nakatani Kazuhiko、Taniguchi Masateru
    • Journal Title

      Journal of the American Chemical Society

      Volume: 145 Pages: 1310~1318

    • DOI

      10.1021/jacs.2c11260

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Single‐Molecule Classification of Aspartic Acid and Leucine by Molecular Recognition through Hydrogen Bonding and Time‐Series Analysis2022

    • Author(s)
      Ryu Jiho、Komoto Yuki、Ohshiro Takahito、Taniguchi Masateru
    • Journal Title

      Chemistry - An Asian Journal

      Volume: 17 Pages: e202200179

    • DOI

      10.1002/asia.202200179

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 単分子計測による小分子―核酸塩基の単一分子会合状態の計数検出2023

    • Author(s)
      小本 祐貴, 高島 裕介,大城 敬人,中谷 和彦, 谷口 正輝
    • Organizer
      2023年春季学術講演会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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