2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of platform for single protein analysis using quantum magnetometry
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22K14576
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
石綿 整 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 主任研究員 (30784897)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 表面化学 / 量子計測 / 量子材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
表面近傍10nm以下の領域に存在するNVセンタを用いた微小領域量子計測は、室温において高感度な核スピン計測を可能とし(5nm)^3の微小体積からNMR計測を実現する。高感度な核スピン計測において最も重要なのはNVセンタと観測対象の距離であり、NVセンタ表面形成技術と観測対象の表面固定の二点が重要な要素となる。本研究では表面近傍に形成されたNVセンタ直上にタンパク質固定技術を開発することで単一タンパク質の量子計測を実現し、量子技術を用いた単一タンパク質診断プラットフォームの開発を実現する。 はじめに、NVセンタ直上に単一タンパク質を固定する化学修飾法を検証した。タンパク質の表面修飾にはダイヤモンド表面へのカルボキシル基の生成が必要である。2022年度では、熱混酸処理とオゾン処理を利用することでダイヤモンド表面にカルボキシル基を形成し、XPS(Kratos Ultra2)を利用して炭素ピークの解析から表面に形成された化学結合の状態を評価した。また、カルボキシル基の生成が確認されたダイヤモンド表面に対してアミノ修飾を行い、XPSを用いて窒素ピークを確認することでダイヤモンド表面におけるカルボキシル基の有効性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度でダイヤモンド表面にカルボキシル基を形成するためのプロセス開発に目処がつき、ダイヤモンド表面評価を実施する環境が整った。また、ダイヤモンド表面へのアミノ基形成を確認することでタンパク質修飾への可能性を実証し、タンパク質表面修飾への指針を得ている。以上の様に当初計画通りに研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
アミノ修飾タンパク質の表面固定評価を実施し、単一タンパク質量子計測法の確立を目指す。具体的には、フッ素を含むタンパク質を開発し、カルボキシル基を生成したダイヤモンド表面への固定を行う。そして量子計測により微少領域NMRを行い、単一タンパク質の量子診断実現を目指す。
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