2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K14579
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 博弥 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (60838217)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオセンサー / 光触媒 / 生物模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脳機能評価に資する光電気化学顕微鏡を確立することが目的である。この光電気化学顕微鏡では、光励起可能なスイッチング素子を透明電極上に塗布し、局所励起光を任意の電極表面に照射することで局所的な電気化学シグナルやイメージを得ることができる。 研究機関の3年間では、光電気化学顕微鏡の確立およびその機能化を達成し、脳機能の多角的評価を実施する。2年度目では、水熱合成法を用いて酸化チタンを透明電極上に成長させ、光励起可能なスイッチング素子とした。この酸化チタン電極では、ペースト状の市販酸化チタン電極よりも高い光応答性を示し、光触媒活性の高いスイッチング素子の作製に成功したと言える。また、3Dプリンターやxyzステージ(手動)、光源、対物レンズを組み合わせ、基本的な光照射ステージを作製した。この光照射ステージを用いて、光照射を各スポットで照射し、得られた各電気化学シグナルから位置と電流値を元に電気化学イメージを取得することができた。1年目に作製した、LEDのアレイを使った電気化学イメージング手法と比較し、スポット径を小さくすることができ、より詳細な光電気化学イメージを取得することが期待できる。光電気化学イメージングのデモンストレーションとして、ガラスビーズを用いて物質の有無を光電気化学顕微鏡によるイメージングを行ない、ビーズの有無で電流値が変化する傾向が確認できたが、さらなる調査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度作製した光照射装置では、LEDのアレイを複数個配列させた6*6の合計36点の電気化学イメージ取得用装置であった。この装置では、LEDアレイのサイズに依存するため、サイズの制限(1点あたり数mm程度)一方、本年度作製した光照射装置では、ステージ可動式としたため、より照射な電気化学イメージを取得することができる。実際に、5mm*5mm内で5*5の合計25点の光電気化学イメージの取得に成功している。また、高活性な光触媒を作製することができたため、スポット径の微細化に伴う電流値の低下にも対応できることが期待される。 一方で、細胞を使った実サンプルの評価には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目では、光電気化学顕微鏡の高活性化およびステージ等の確立を行い期待以上の性能が得られた。一方で、2年目に予定していた実サンプルの評価が実施できていないため、3年目では細胞を使った細胞の代謝活性や薬剤応答に関する情報を取得予定である。
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Causes of Carryover |
2年度目に計画していた細胞関連の実験に関する研究を3年度目に実施するため、また、国際学会(PRiME2024)にて成果報告を行う予定であるが円安の状況を鑑みて、3年度目に繰越を行う。
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