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2024 Fiscal Year Annual Research Report

非慣性コロイド分散系における力学的整流現象の開拓

Research Project

Project/Area Number 22K14593
Research InstitutionJapan Atomic Energy Agency

Principal Investigator

埋田 真樹  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (90914060)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsバーネット効果 / スピンー回転結合 / 磁性流体 / スピントロニクス
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、非慣性系である回転座標系において、力学的回転と角運動量の結合によって生じる慣性磁場(バーネット磁場)を、機能性材料である磁性流体を用いて測定し、流体中の磁性ナノ粒子に作用する慣性力により生じる自発的回転現象の解明を目的とした。
令和6年度は、前年度に実施した溶媒や濃度の系統測定結果に基づき、理論モデル化および数値計算を行った。本モデルでは、熱揺動するナノ粒子がコリオリ力の影響で軌道を変化させ、その結果として粒子表面に流速分布が生じるという機構を想定した。この機構に基づいて溶媒と粒子の密度比から見積もられる終端角速度は、実験から見積もられる粒子の角速度と定量的に一致することを確認した。ここから、慣性力を考慮した回転座標系における分子動力学シミュレーションを試みたが、us-msの時間スケールで定常回転に至るには計算コストが大きく、粒子の自発回転は再現できなかった。そこで簡易モデルとして、回転座標系でのランジュバン方程式と、粒子表面の流速分布による粘性トルクを取り入れた剛体回転方程式を連立し、ナノ粒子の角速度を計算した。その結果、角速度は有限となるが、実験条件に基づいたパラメータを用いると外部回転速度が粘性に対して小さく、オーバーダンピング近似が成り立ち、慣性項が駆動力として働かないことが明らかとなった。これは実験で観測された自発回転とは整合せず、無視していた磁気的相互作用を考慮する必要がある可能性が示唆された。本成果の一部は論文投稿準備中である。
本研究は懸濁液中のナノ粒子の回転運動は従来の光学手法では検出困難とされていたが、電子スピンのバーネット効果を通じて液中ナノ粒子の角速度を検出した世界初の成果である。流体力学的視点から、非慣性系におけるブラウン運動が角運動量を生む新機構は普遍的な物理原理としての意義も大きい。詳細なモデル化には今後も検証を続ける必要がある。

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Published: 2025-12-26  

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