2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of 3D-AFM for visualizing chromosomes by carbon nanotube tip
Project/Area Number |
22K14603
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宮澤 佳甫 金沢大学, フロンティア工学系, 助教 (40845525)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 染色体 / カーボンナノチューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの分裂期の染色体の3次元構造を可視化する3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)の開発のために、カーボンナノチューブ(CNT)を用いたAFM用探針開発を行った。最終年度では、電子顕微鏡内部で動作するマニピュレーターに取り付けた自作CNT探針作製治具の改良を行い、ピコアンペアレベルの電流制御によるCNT探針の形状制御機構を開発した。これにより、AFM探針先端へのCNTの取り付け角度や長さ、CNT先端の先鋭形状などをナノレベルで制御できるようになり、直径1 nm以下のCNT探針の作製に成功した。作製したCNT探針を用いて、①分裂期の染色体内部の構造観察と、②DNAのAFM計測の分解能向上に取り組んだ。①では、CNT探針が染色体内部に挿入され、染色体内部の密度分布を反映した3D-AFM像の取得に成功した。②では、従来のDNAの高分解能AFM計測で問題となっていたナノサイズのAFM探針によるDNAの見かけ上の形状の膨潤の問題がCNT探針で解消され、直径2 nmのDNAの形状をとらえつつ、DNA表面のらせん構造を同時にとらえることに成功した。これらの成果により、本研究で開発したCNT探針は、従来の汎用的なAFM探針と比べて生体試料の内部計測、および生体試料表面の高分解能計測の双方を実現する探針であることを示した。今後、CNT探針が高分解能AFM計測に応用されることで、従来のAFM計測では実現できなかった生体試料表面や内部の高分解能計測が達成されることが期待される。
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