2022 Fiscal Year Research-status Report
探針増強ラマン散乱・赤外吸収計測による生体ダイナミクスの解明
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22K14650
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
加藤 遼 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 特任助教 (90910513)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 探針増強ラマン / 赤外分光 / 光熱効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1分子感度を有する探針増強型のラマン分光法と赤外吸収分光を共立する新奇なナノスケール振動分光法を駆使し、生体分子の機能と化学構造ダイナミクスの相関関係を明らかにすることを目的とした。 本年度は、赤外光の信号を検出せずに試料の赤外吸収を計測する技術の開発を行なった。開発した手法を用いて、有機分子やポリマー分子の赤外吸収測定を行い、原理実証を行った。赤外パルスレーザーの波長を掃引しながら、各波長における可視光の光学応答を計測することで赤外吸収スペクトルを取得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、赤外光の信号を検出せずに試料の赤外吸収を計測する技術の開発に成功している。また、開発した手法を用いて、有機分子やポリマー分子の赤外吸収測定を行い、原理実証にも成功しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は生体試料観察を通して、単一分子における熱揺らぎや細胞内分子分布の可視化を行い、ラマン・赤外ハイブリッド分光計測の有用性を示す。単一分子分光では、無機物に対して高いアフィニティを示すペプチド分子をターゲットとし、その機能解明に挑む。細胞計測では、Hela細胞や上皮細胞の測定を行う。
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Causes of Carryover |
半導体不足によりレーザー機材が高騰し、型式・モデルを再選定する必要があったため、次年度使用額が生じた。 次年度にモデルを選定し、赤外レーザーの購入を行う予定である。
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Research Products
(5 results)