2023 Fiscal Year Annual Research Report
極微小空間に閉じ込めた超高感度電気化学センサの創出
Project/Area Number |
22K14707
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菅野 佑介 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30922330)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電気化学計測 / 微小電極 / バイオセンサ / マイクロ流体デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、①極微小空間の形成に必要とする温度応答性ポリマーのパターニングおよび特性評価と、前年度の課題であった②分子認識素子であるアプタマー分子の電極との化学結合法の確立について取り組んだ。具体的に、①に関してはポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(以下、PNIPAM)製レジストをフォトリソグラフィによって固体基板上に、幅・高さともに20 μm程度のPNIPAM構造物としてパターニングすることに成功した。さらに固体基板上のPNIPAM構造を維持したまま、マイクロ微細溝を有するポリジメチルシロキサン(以下、PDMS)チップと固体基板を化学結合を介して接合できることを見出した。このように形成したPDMS製マイクロチャネルでPNIPAM構造物の温度制御をしたところ、下限臨界溶液温度(以下、LCST)が30℃程度であり、LCSTを境に温度変化に伴って構造物の体積が大きく変化し、1 min以内に体積変化が完了できることも明らかにした。このように作製したPNIPAM構造物はマイクロチャネル内で迅速応答可能な温度応答性バルブとして用い、極微小空間の形成に応用できる可能性が示唆された。②に関しては、強酸および強塩基性水溶液を用いて電気化学クリーニングを行い、SH基を有するアプタマー分子を金電極上に再現性良く化学結合できる条件を見出した。別の手法として、金の電解メッキを電極に施すことでアプタマー分子を化学結合できることも見出した。さらに、アプタマー分子に電気化学活性種を修飾して取得する電気化学応答から、両アプローチによるアプタマー分子の修飾を電気化学的に確認することに成功した。
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