2023 Fiscal Year Annual Research Report
A new prepartion method for efficient metal-complex/semiconductor hybrid photocatalysts using electrochemical polymerization reactions
Project/Area Number |
22K14715
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 康臣 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (90784075)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 二酸化炭素還元反応 / 光触媒反応 / 複合型光触媒 / 重合反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、金属錯体-半導体複合型光触媒における光触媒特性の向上を目指し、金属錯体の担持量及び吸着強度を大幅に増大させる新規金属錯体担持手法の開発を行った。2022年度には、粉末状カーボンナイトライド上にビニル重合反応を用いて金属錯体をポリマー状に担持させる手法の開発を試みた。検討の結果、ホスホン酸とビニル基の両方を有するRu錯体を重合反応の起点として半導体上に予め吸着させておき、還元剤及びビニル基を有する複核錯体を含む溶液に懸濁させて光照射を行うことで、半導体伝導帯内の電子を活用したビニル重合反応が進行することを見出した。この重合反応により、吸着量・吸着耐久性に加えて光触媒活性も従来系を大きく上回った。2023年度には、最適な重合反応条件と本担持法の適用範囲の検討を中心に行った。重合反応時における溶液中の錯体濃度を変化させたところ、錯体濃度の増加に伴って錯体の吸着量は緩やかに増加し、ホスホン酸基のみを用いた従来法の約20倍(約0.1 mmol/g, 2022年度検討時の約4倍)まで上昇させることに成功した。光触媒特性に対する錯体の担持量の効果を検討したところ、担持量に対して火山型の依存性を示し、担持量の増大に伴う反応促進効果(錯体部の可視光応答性の増加等)と同時に反応阻害効果(半導体表面の被覆による還元剤から半導体への電子注入効率の低下等)があると明らかになった。また、本担持法の適用範囲を考察するためにバナジン酸ビスマスを半導体部とする複合型光触媒の調製を行った。バナジン酸ビスマスはカーボンナイトライドよりも還元力が低いが、上記と同様の条件下で重合反応が進行して従来法を上回る担持量を示した。上記の重合反応と含浸法を組み合わせることで吸着量が更に増大し、ホスホン酸基のみを用いた従来法の約30倍(0.15 mmol/g)まで担持量を増大させることに成功した。
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