2023 Fiscal Year Research-status Report
Creation of size-specific nanoparticle-containing, high-efficiency, low-cost, disposable organic and inorganic thin-film solar cells
Project/Area Number |
22K14717
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
植田 泰之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 博士研究員 (90879727)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 有機太陽電池 / 無機太陽電池 / 有機無機複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機物と無機物を複合したハイブリット薄膜太陽電池の低コスト、且つ高透過性を有する全塗布型有機無機太陽電池の開発を目的としている。昨年度は、n 型半導体に亜鉛酸化物を用いた電荷輸送層の相分離構造制御による電化分離/高効率化を中心に研究を実施した。結果、 p型半導体高分子としてP3HTもしくはPEDOTFをドナー材料、アクセプター材料として無機酸化物半導体を用いて、太陽電池素子を作製し、電荷分離及び電荷輸送が発現することを確認した。しかし、アクセプターとなる無機酸化物の相分離構造の煩雑さとエネルギーレベルが原因と考えられる短絡電流密度の低下が見られた。そこで本年度は、アクセプター材料の見直しと合成に関して検討を実施した。まず初めに、キャリア輸送とサイズ制御が可能なナノ粒子として量子ドットを検討した。量子ドットはナノサイズの粒子であり、その粒子サイズを化学反応を用いて簡便に制御できることに加え、粒子サイズに応じた蛍光発光特性を制御することが可能なナノ粒子の総称である。まず、中心金属としてGa, Se, Agを含む3種類の量子ドットの合成検討を行った。結果として、反応温度・時間・試薬の等量比を検討することにより対応する粒子径へと制御することに成功した。次に、得られた各種量子ドット/チタンアルコキシドとP3HTの組み合わせの薄膜太陽電池を作成した。結果として、亜鉛酸化物を使用した場合の相分離構造よりも細かい相分離構造を形成していることがSEM観察を行うことで明らかにした。さらに、開放電圧の向上も見られた。しかし、3種類の量子ドットを用いた太陽電池サンプルは解放電圧と変換効率が安定せず電荷分離の効率が下がっていることが懸念された。今後は、より効率的な電荷輸送が可能となる相分離構造を形成できるナノ粒子の組み合わせの検討を行い、高効率化を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画である酸化物半導体と発電高分子から形成される系で電荷分離を確認することができたが、適切な相分離構造を形成するための制御が困難であった。そこで代替となる新規材料として複数金属含有のナノ粒子を合成して得られた材料を随時検討を進めている。適切なサイズと対応する相分離構造の分析が煩雑であるため種々分析方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
複数金属含有ナノ粒子のサイズ別合成法の検討に加え、p型との適切な素材・サイズのナノ粒子の検討を進める。具体的には、Ag, Fe, Siのナノ粒子で検討を実施する。
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Research Products
(1 results)