2022 Fiscal Year Annual Research Report
CO2―オレフィンカップリングにおける1電子酸化/還元過程を想定した触媒創製
Project/Area Number |
22K14721
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
亘理 龍 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (00638009)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / アミジン / 銅触媒 / マンガン触媒 / 一電子移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
CO2とオレフィンの触媒的カップリング反応によるアクリル酸類の合成は、大規模かつ高付加価値なCO2資源化技術として期待されている。これまで、8,10族元素を用いた2電子過程に基づく触媒分子設計が推進されてきたが、7,11族元素のMnやCu触媒技術の進展に鑑み、1電子酸化/還元を想定した新しい分子設計の可能性が拓かれている。 本研究では、アミジン―金属種の触媒機能の知見を活かし、集積されたアミジン構造がもたらす電子的特性や反応場に関する知見を得ることを目的とする。 新規に合成した一連のアミジンアンカーをもつプロティック三座配位子について、錯体化学的知見の蓄積を目的にMnやCuへの錯体形成挙動や、本配位子がもたらす電子的特性を検証した。その結果、一連のアミジン配位子がMnに対して収率よく錯体を形成することがわかった。得られたMn錯体のX線構造解析により、ホスフィンやピリジンアンカーをもつ一般的なプロティック三座配位子よりも、本アミジン配位子が高い電子供与能をもつことが示唆された。電気化学測定によりMnの1電子過程に関する知見が得られ、アミジン構造を変化させることで電子授受能を容易に調整できた。一方、Cuに対しては多核化によって単一の生成物は得られなかった。そのため、先行的にPS-DBUに固定されたCuナノ粒子の触媒反応場としての有用性に関する知見を収集した。反応性に大きく関与するCuナノ粒子表面の構造決定を進めた結果、核磁気共鳴によりCu―アルコキシド構造を同定することができた。不均一系触媒でこれまで見いだされてこなかった構造であり、CO2変換にとどまらない種々の触媒反応への応用が期待できる。
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Research Products
(1 results)