2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Multipodal Hole-Transporting Monolayer Materials for High Performance Perovskite Solar Cells
Project/Area Number |
22K14744
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ペロブスカイト太陽電池 / 単分子膜 / 電荷回収 / マルチポッド / 変換効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペロブスカイト太陽電池のさらなる特性向上のためにペロブスカイト層で光吸収によって生成した電荷を選択的に取り出す電荷回収材料の開発がのボトルネック課題となっている。従来の正孔回収材料では、各層間でのリークを防ぐために100-200 nm 程度のアモルファス性の厚膜層として用いられてきた。しかし、その材料自体の厚膜による光吸収が取り出せる電流密度を低下させてしまい、また、この厚膜のモルフォルジーの安定性がデバイス自体の低い熱安定性の原因となっている。さらに、従来の厚膜材料では正孔移動度が比較的低いため、電気伝導度を向上するためにはp型のドーパントなどの添加剤を必要とする。しかし、これらの添加剤の高い吸湿性と各イオンのペロブスカイト層への遊泳が、ペロブスカイト層へのダメージとなり、太陽電池デバイスの耐久性を低下させている。ペロブスカイト太陽電池デバイスの耐久性を向上させるためには、これらの視点から、優れた添加剤フリーp型有機半導体材料の開発が重要となる。 本研究では、長期耐久性と高い光電変換効率をもつ太陽電池を実現できる新たな有機半導体材料の開発を目指す。具体的には、トリアザトリキセンをはじめとする2次元拡張 π 共役骨格にホスホン酸などの極性基をアンカー基として複数導入したマルチポッド型正孔回収単分子膜材料を開発した。これらの単分子膜材料は、ペロブスカイト層に対して水平方向に配向するため、効率的な正孔回収が可能になることが明らかになった。この単分子膜を添加剤フリー正孔回収層に用いたペロブスカイト太陽電池が23%の高い光電変換効率と長期耐久性を示すことがわかった。 また、本研究では平面なトリアザトリキセン骨格の代わりにサドル型シクロオクタテトラインドール骨格、そして吸着力の弱いカルボン酸基を用いることで単分子膜の疎水性・低濡れ性の問題を改善できることもわかった。
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Research Products
(10 results)