2022 Fiscal Year Research-status Report
光エネルギーにより液-液相間を行き来する電子輸送システムの開発
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22K14769
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中田 明伸 京都大学, 工学研究科, 講師 (20845531)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光触媒 / 光誘起電子移動 / 電子伝達 / 人工光合成 / Z-スキーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有用生成物を得る還元反応と水の酸化反応を相分離したそれぞれ異なる溶媒で進行させることで反応場を分離した新しい光触媒システムを構築し、水を電子源とした人工光合成反応を高効率化することを目的としている。天然の光合成のZ-スキーム機構でも採用されている異相界面を行き来する高効率電子伝達を人工系にフィードバックし、電子移動と連動して液-液相界面を縦断する電子輸送系を開発することで酸化・還元反応場の分離が可能であると考えられる。これにより、従来の単一溶液系において光触媒効率を低下させる要因となる逆電子移動過程を大幅に抑制し、人工光合成反応の飛躍的な高効率化が期待できる。そこで、相間移動に共役した光電子伝達の学理を確立することで、有用な還元反応を伴う光エネルギー変換反応の高効率化に幅広く適用できるプラットホーム構築に向けて研究を遂行した。 本年度は、これまでに実証した有機相における還元的カップリング反応を水を電子源として進行させるために、相間移動型電子メディエーターを用いた水相における光触媒的水の酸化反応を検討した。適切な光触媒を用いることで水相における水の酸化が進行し、電子を受容したメディエーターが有機相へと移動する相間移動型電子メディエーターとして機能することを見出した。今後は、相間移動型電子メディエータを用いた二相溶液中における水を電子源とした還元反応の実証に向けた検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究課題として挙げていた「相間移動共役型光電子移動に基づいた水の光酸化システムの開発」を計画通り遂行し、相間移動型電子メディエーターを用いた水の光酸化反応を実証することができたため、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでに確立してきた相間移動に共役した光電子伝達に関する知見を活用することで、有用な還元反応を伴う光エネルギー変換反応の高効率化に幅広く適用できるプラットホームの構築を目指す。具体的には、相間移動型電子メディエータを用いた二相溶液中における水を電子源とした還元反応を実証する。還元反応として、これまでの研究で実証した臭化ベンジル誘導体の還元的カップリング、およびCO2還元を有機相で、水の光触媒酸化を水相で進行させ、相間移動型電子メディエーターにより両者間の電子伝達を機能させることで、酸化還元反応を空間分離した水を電子源とする還元的光触媒反応の実証を目指す。
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Research Products
(11 results)