2022 Fiscal Year Research-status Report
核酸輸送を加速させる一次元伸張ナノカーボン分子の創製
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22K14797
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天池 一真 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (00866600)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸輸送 / ナノカーボン分子 / ポリエチレンイミン / ポリアリーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、核酸医薬やゲノム編集技術といった核酸を用いた技術の発展が目覚ましい。これらの技術は基本的に、核酸が核に到達することで機能が発揮されるため、効率的に外部から核酸を輸送することが求められる。しかし生物は細胞膜や細胞壁などの脂溶性の高い物理的な障壁を持つため、電荷を帯びた核酸を細胞内に輸送するのは一般的に困難である。そのため現在においても核酸輸送法の開発、改良が進められている。近年、カチオン性カーボンナノチューブをはじめとする炭素材料(ナノカーボン)が、新たな核酸輸送のための次世代キャリアとして期待が高まっている。しかしその詳細な作用機序、最適なナノカーボンの構造情報は不明のままである。そのため本研究課題では、精密に構造が制御されたナノカーボン分子を合成し、哺乳、植物、昆虫を対象とした構造物性相関研究をおこない、それぞれの生物種に合わせたテーラーメイドなナノカーボン分子の創製をおこなう。分子設計に関しては、細胞外におけるナノカーボン分子と核酸との相互作用、細胞膜、細胞壁の透過能、そして細胞内における核酸の解離を念頭においておこなう。一次元に伸張したナノカーボン分子の合成に関しては共有結合的に伸張させる方法を確立した。すなわち、最近報告したデンドリマーを担体とした芳香族ポリマー(Fujiki et al. Nature Communications 2022, 13, 5358.)に対して、ポリエチレンイミンを作用させることで、一段階で種々の一次元に伸張したナノカーボン分子を合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年、カチオン性カーボンナノチューブをはじめとする炭素材料(ナノカーボン)が、新たな核酸輸送のための次世代キャリアとして期待が高まっているものの、その詳細な作用機序、最適なナノカーボンの構造情報は不明のままである。今回、一次元に伸張したナノカーボン分子の合成に関しては共有結合的に伸張させる方法を確立した。すなわち、最近報告したデンドリマーを担体とした芳香族ポリマー(Fujiki et al. Nature Communications 2022, 13, 5358.)に対して、ポリエチレンイミンを作用させることで、一段階で種々の一次元に伸張したカチオン性ナノカーボン分子を合成した。 複数種類の一次元伸長ナノカーボンを精密に合成できたため、おおむね順調に研究は進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度合成を達成した分子を用いて構造物性相関研究を遂行する。またその結果をもとに、一次元伸長ナノカーボンの骨格デザインや、付与するカチオン性ポリマーを変更し、哺乳類、昆虫、植物それぞれに最適な核酸輸送材料を合成する。
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Causes of Carryover |
今年度は合成化学の実験に注力したため、生化学実験用の消耗品の購入費が少なかった。 そのため次年度において当該の生化学実験、および計画通り合成実験をおこなう。
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