2023 Fiscal Year Annual Research Report
核酸輸送を加速させる一次元伸張ナノカーボン分子の創製
Project/Area Number |
22K14797
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天池 一真 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (00866600)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸輸送 / 分子ナノカーボン / 超分子ポリマー / ポリアリーレン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、核酸医薬やゲノム編集技術といった核酸を用いた技術の発展が目覚ましい。これらの技術は基本的に、核酸が核に到達することで機能が発揮されるため、 効率的に外部から核酸を輸送することが求められる。近年、カチオン性カーボンナノチューブをはじめとする炭素材料(ナノカーボン)が、新たな核酸輸送のための次世代キャリアとして期待が高まっている。しかしカーボンナノチューブは分子構造が精密に制御されていないため、その詳細な作用機序、最適なナノカーボンの構造情報は 不明のままである。そのため本研究課題では、カーボンナノチューブを模倣した一次元伸長ナノカーボンに着目し、その詳細な構造と輸送活性との相関関係を明らかにする。 分子設計としては、核酸と静電相互作用を促すためにカチオン性の置換基(アミノ基)を一次元に伸長したナノカーボン分子に導入することとした。また一次元に伸張したナノカーボン分子の合成に関しては、一次元に共有結合的に伸張させる方法と超分子化学の手法を用いる方法で合成を試みた。 共有結合的に伸張させる方法においては、我々が報告したデンドリマーを担体とした芳香族ポリマーに対して、ポリエチレンイミンを作用させることで、ポリエチレンに一次元伸長ナノカーボン分子を導入することができた。また先端構造がアミノ基であるデンドリマーを担体とした芳香族ポリマーの合成に成功した。超分子化学の手法を用いる方法においては、芳香族アミノアゾ化合物がアスペクト比の高い分子集合体を形成することが示唆される結果を得た。
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