2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the inter-microbial interaction and application to effective screening methods
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22K14820
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
須志田 浩稔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (10885510)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳酸菌 / 微生物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、微生物間相互作用による遺伝子発現・代謝状態の変動に着目し、乳酸菌をモデルとした「情報伝達因子の探索」と「相互作用が制御する代謝経路の解析」により、微生物間の情報伝達機構を生存戦略としての視座から解明する。 本年度は、本研究の前提となる乳酸菌-他微生物間の相互作用を探索した。ここでは土壌、果実を分離源とし、試験検討としていずれもグラム陰性のPseudomonas属細菌、Xanthomonas属細菌(以後Xcと表記)、Dickeya属細菌の代謝産物による微生物叢変動、および乳酸菌分離への影響を調査した。解析に際し、各分離源の集積培養に使用するMRS液体培地に1% (v/v)のPY液体培地(コントロール)、または各グラム陰性菌のPY培養液無菌上清を添加した。培養後の回収菌体を用いて16S rRNAのV3-V4領域を標的としたアンプリコンシーケンス(DNBSEQ-G400)を実施し、Qiime2による比較解析を行った。菌株単位での代謝変動解析に向けては、集積培養液をMRS-CaCO3プレート上に塗布し、酸産生によるクリアゾーン形成を指標とした乳酸菌の単離を実施した。 アンプリコンシーケンスの結果、土壌サンプルのコントロールではLeuconostocaceaeが>99%を占めていた一方、Xc培養液添加区分ではEnterococcaceaeが約17%に増加するという科レベルでの差異が観察された。果実サンプルでは目レベルで劇的な変化が観察され、コントロールで98%を占めていたLactobacillalesがXc区分ではBacillalesにほぼ置き換わっていた。これらの結果は、Xcの培養液中に存在する相互作用因子が乳酸菌の代謝変動を誘起することを示唆しており、プレート上から分離した計425株の系統解析を進めるとともに、生育や抗菌物質生産への影響を解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
16S rRNAアンプリコンシーケンスにより、Xcの代謝産物を介した菌叢変動を実証した。誘導因子の同定と分離した乳酸菌株の特性解析は達成できていないものの、Xcとの相互作用が期待される候補菌株425株を獲得しており、次年度以降の実験基盤は構築されている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、菌叢変動が確認された培養条件より分離した菌株の系統、および特性解析を実施する。続いて、Xcの培養液上清を各種精製法により分画し、分離菌株の表現系に与える影響と誘導因子の同定を行う。また、相互作用を誘起する微生物系を充実化・ライブラリ化すべく、今年度実施したグラム陰性菌の実験系にグラム陽性菌、糸状菌を加え、菌叢変動と分離菌株の特性解析を継続する。
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Causes of Carryover |
アンプリコンシーケンス解析に想定以上の期間を要し、菌叢解析および菌株単離以後の試験を年度内に実施困難となった。各菌株の特性解析には至っていないものの、初年度に未使用となった予算を用いることで次年度予定しているMALDI-TOF-MSを用いた系統解析や代謝変動因子の精製が実施可能となる。また、継続予定のアンプリコンシーケンスについても未使用予算を利用し、短納期の国内委託先で実施する。
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