2022 Fiscal Year Research-status Report
植物由来芳香族からの効率的な有価物生産のための細菌トランスポーターデザイン
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22K14821
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
藤田 雅也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 学振特別研究員 (50923471)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | リグニン / 細菌内膜 / MFSトランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、2種類のMFS輸送体の精製タンパク質取得方法を確立し、クライオ電顕を用いた単粒子解析、等温滴定型熱量測定(ITC)による基質との結合解析を行った。精製タンパク質の取得にはすでに成功していたが、培養時間やbuffer条件などを最適化することにより、これまでの2倍以上の収量で精製タンパク質を得ることに成功した。また、ナノディスクへの再構成法も確立した。界面活性剤に可溶化した目的タンパク質、およびナノディスクい再構成した同タンパク質を用いて、クライオ電顕を用いた単粒子解析を行なった結果、それぞれ4オングストローム、6オングストロームの構造を得ることに成功した。界面活性剤に可溶化した目的タンパク質のデータセットについては現在解析途中であり、今年度中の構造決定が可能であると考えている。また、ナノディスクに再構成した目的タンパク質と、基質との相互作用をITCにより検出することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に予定していた構造解析が順調なため。また、ナノディスクへの再構成法を確立し、ITCによる相互作用解析の手法も確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、目的タンパク質を人工膜に再構成し、基質の取り込みアッセイ方法を確立する。取り込み能は、蛍光分光光度計、または電気化学的な手法により評価する予定である。加えて、クライオ電顕により、2種類のMFS輸送体の構造を決定する。取り込み機序の理解に十分な分解能で構造が得られたら、変異体の解析により、取り込みに重要な残基を決定する。また、特定の残機に変異を導入することにより、異なる基質の取り込み能を付与できないかを検討する。
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Causes of Carryover |
精製タンパク質を効率的に取得する方法を確立できたため、想像よりも界面活性剤の使用を抑えられた。そのため、次年度使用額が生じた。今年度の解析には大量の精製タンパク質が必要なため、界面活性剤の購入に当てる予定である。
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