2022 Fiscal Year Research-status Report
Bioinformatics-Based Analysis of Mechanisms of Life Span Extension by Caloric Restriction.
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22K14847
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
谷津 智史 帝京大学, 薬学部, 助教 (10823453)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カロリー制限 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
カロリー制限は、多くの生物種を超えて寿命を延伸する長寿介入法である。遺伝的にカロリー制限様の状態であり長寿なマウスであるdwarfマウスとカロリー制限により長寿になった野生型マウスでは肝臓においてインスリン/インスリン成長様因子シグナルが減弱していることが最終的な長寿につながると考えられている。そしてこれらのマウスの遺伝子発現解析およびプロモーター解析から、長寿シグナルによって活性化されるDNA応答配列、Longevity Response Element (LRE)が同定され、長寿をもたらす成分の解析に用いられている。しかしながら長年この活性化機構は不明であった。本研究はこの活性化機構を解明することでの、カロリー制限による寿命延長機構の解明を目指す。 一年目であった本年度はまずLREに結合するタンパク質の同定をするために、DNA pull down assay の後、抽出したタンパク質を質量分析計を用いて解析し、さらにマスコットサーチを実施することで、LREに結合するタンパク質(LBP; LRE binding protein)を同定した。このタンパク質をノックダウンすることで、LRE活性が増強すること、LREのもととなっている遺伝子のうち複数の遺伝子の発現が上昇していることが明らかになった。またこれらの遺伝子のプロモーター領域にLBPが結合しているかをクロマチン免疫共沈降法により解析した。その結果これらの遺伝子のプロモーター領域においてLBPが結合していることが明らかになった。 来年度はさらに新たに遺伝子発現の解析およびLBPの機能の解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度初めに研究代表者が異動したため、実験系の立ち上げに時間を要したが最終的には計画書の予定通りLBPの同定およびLRE活性への影響を調べることが出来た。またすでに、LRE機能解析に向けた実験系は予備検討が終わっている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究計画通り、LBPの機能解析、並びにLBPの内因性リガンドが長寿関連遺伝子の発現に与える与える影響を検討する。これらの検討によりLRE活性化機構を解明し、最終的にはカロリー制限による寿命延長機構の根幹を明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究代表者が異動したことにより、購入予定であった装置が複数共通機器として存在していたため、新たに自身で購入する必要がなくなった。その分使用額に差が出たと考えられる。
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