2022 Fiscal Year Research-status Report
腸管吸収モデル細胞における時計遺伝子を介した機能性成分の吸収メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K14859
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
篠崎 綾子 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部地域技術支援部食品技術センター, 研究員 (80754811)
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Project Period (FY) |
2022-02-01 – 2025-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / Caco-2細胞 / 機能性成分 / 腸管吸収 / 時間栄養学 |
Outline of Annual Research Achievements |
時間栄養学として、栄養成分の効用が摂取タイミングで異なる可能性が高いことが明らかになってきた。本研究では、栄養成分の吸収率に着目し、摂取タイミングにおける腸管上皮細胞を介した吸収率の変化、概日リズム性およびそのメカニズムの解明を目的とする。一般的に小腸での吸収率が低いとされる機能性成分、また、多量に摂取出来ないカフェインなど、様々な食品成分に対して吸収率の概日リズム性を提示し、食品中の栄養成分の効用を最大限に活用できるようにしたいと考える。 栄養成分の吸収率を検証するため、Caco-2細胞およびその他の腸管上皮細胞を用いて膜透過性試験を行う。細胞の種類によって概日リズムが生じる細胞とリズムの確認ができない細胞とがあることから、膜透過性試験に用いる細胞種の検証を概日リズム誘発刺激の検証と共に行う。さらに、腸管上皮細胞の概日リズムをリアルタイムに測定する系の確立を行う。ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドベクターを導入し、細胞の概日リズムを安定して観測するプロトコルを細胞に合わせて確立することを目指す。 腸管上皮細胞の概日リズムをリアルタイムにモニタリングしながら、各タイミングにおいて膜透過性試験が随時行える実験環境の構築を目指し、朝や夕といったタイミング毎に細胞に機能性成分などの化合物を添加してHPLCおよび質量分析法により化合物の透過率を調べていく。さらには、輸送体の阻害剤などを用いて、その分子メカニズムを検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前産後休業・育児休業に伴い2022年10月より職場に復帰した。また、同月に職場内移動があり実験環境の新規確立を行なっているため、研究達成度は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Caco-2細胞およびその他の腸管上皮細胞を用いて、概日リズムを誘発する刺激、概日リズムが生じる細胞種の検証を行う。さらに、ルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドベクターを導入するためのプロトコルを細胞に合わせて検証し、概日リズムをリアルタイムに測定する系の確立を行う。これらから、機能性成分などの食品成分の透過率を細胞の概日リズムに合わせて測定する、また、そのための最適な膜透過性試験系の確立を目指す。
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Causes of Carryover |
産前産後休業・育児休業に加えて職場内移動があり、本研究の開始時期が大幅に遅れたため。使用計画は、おおよそ一年ほど後ろに移行する予定である。
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