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2022 Fiscal Year Research-status Report

葉緑体を中心とするオルガネラ間コンタクト形成因子の同定と機能評価

Research Project

Project/Area Number 22K14865
Research InstitutionInstitute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

中村 咲耶  国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (20845151)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywordsコンタクトサイト / split GFP / 葉緑体 / オルガネラ / シロイヌナズナ
Outline of Annual Research Achievements

本研究計画は、植物細胞において異なる細胞内小器官 (オルガネラ) の連携を担うコンタクトサイトに関わる因子として、特に葉緑体を中心としたコンタクトサイトの可視化と機能因子群の同定を進めている。
初年度は、split GFP再構成法による各種オルガネラ間コンタクトサイト評価系の構築を行った。まず、すでにsplit GFP再構成法が確立されている酵母や哺乳類細胞で使用実績のあるGFP配列を2分割した不活性断片を、個別に2種のオルガネラの細胞質側に発現させたモデル植物 (シロイヌナズナ、ベンサミアナタバコ) を作出し、共焦点レーザー顕微鏡によるコンタクトサイトの観察を行った。先行して進めた葉緑体-ペルオキシソーム、葉緑体-小胞体の各コンタクトサイトの可視化に成功したが、GFP蛍光が非常に弱いため、植物での使用実績の多い改変型GFP配列でのsplit GFP発現系も用意した。しかしながら蛍光強度の改善は見られなかったため、元のGFP配列を用いた評価系を使用し、他のオルガネラについてもコンストラクト作製を進めた。また、コンタクトサイト機能因子群を同定するため、改変型ビオチンリガーゼ (TurboID) を各オルガネラ膜上に発現させるコンストラクトおよび形質転換植物の作製を進めた。先行して作出した葉緑体外包膜にTurboIDを発現する植物については、近接するタンパク質群の精製、質量分析による同定を行い、葉緑体に近接する他のオルガネラタンパク質の候補を複数同定した。その一部について細胞内局在を調査するため、蛍光タンパク質を融合させた発現コンストラクトを作出した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上記に記載したように、コンタクトサイトを可視化するためのGFP蛍光強度が弱く、その改良を試みたが、蛍光強度の改善にはつながらなかった。そのため、研究計画の想定と比べると若干の遅れが生じていると言える。しかしながら、並行してTurboIDを各オルガネラ膜上に発現させるコンストラクトの作製を進めてきており、順調に進んでいるため、形質転換植物が出来次第、生化学的なコンタクトサイト関連因子群の同定に取り組むことが出来ると考えている。

Strategy for Future Research Activity

初年度にコンタクトサイト評価系の検討を行い、GFP蛍光強度の改善は見られなかったが、評価系の構築は出来たため、随時、他のオルガネラの組み合わせについても発現コンストラクトを作製し、引き続きコンタクトサイトのイメージング解析を進める。split GFPの蛍光強度の改善が成功しなかったように、分割タンパク質断片の生体内での再構成を構築する際には複雑な条件検討が必要となる可能性が想定された。当初計画していたsplit TurboID法 (TurboIDを不活性断片2つに分けて各オルガネラ膜上で発現させる) でも再構成の条件検討に時間を要することが想定される。そこで次年度は、まず全長TurboIDを各オルガネラ膜上に発現するコンストラクトを作製し、TurboIDを連結したオルガネラ以外の他のオルガネラに局在するタンパク質が濃縮されるかどうかを試験する。先行して作製していた、葉緑体包膜上にTurboIDを連結した形質転換シロイヌナズナの葉では、葉緑体以外のオルガネラ局在タンパク質もビオチン化されることが分かったため、TurboID全長発現系を用いたコンタクトサイト機能因子群の同定を先行して進めていく。

Causes of Carryover

上述の通り、イメージング解析の条件検討に時間を要し、研究計画に一部遅れが生じたため、当該助成金が生じた。生化学的なアプローチを推進するために必要な、形質転換体の作出、タンパク質精製等の実験のための試薬・消耗品等の費用として使用する予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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