2023 Fiscal Year Research-status Report
Enhancement of Carbon Stock in Rice Cropping through Improving its Root System
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22K14881
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
舛谷 悠祐 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター, 研究員 (60909456)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 土壌炭素 / イネ / 根系 / クライメートスマート / 炭素貯留 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は①土壌有機態炭素貯留量の品種間差の評価 および ②土壌有機態炭素貯留量の規定要因の解析を実施した。具体的には、地上部バイオマスおよび地下部バイオマス、根系の形態的特性、土壌炭素の調査を行う。栽培試験自体は予定通り実施できたが、根のサンプリングに用いる水道設備およびサンプル保管用冷蔵庫が相次いで故障し、復旧に長時間を要したため、サンプリングの点数および時期は主要なものに限って実施することとなった。 現在、サンプリングした根の根長・根長密度計測(画像解析による)、土壌炭素貯留量評価のための分析準備を行っている。 故障した研究設備は年度末までに復旧が完了したため、次年度は当初の計画通りに栽培試験・調査が実施できる見込みである。また、本課題の予備試験として実施した過去の栽培試験データの解析を継続して行い、土壌中の有機態炭素量を増加させる、すなわち土壌炭素貯留を進める戦略として、根バイオマス増加および難分解性の向上の2つのアプローチが可能であることを確認し、画像解析によって比根重などの根系形態パラメータの定量フローの確立を行った(次年度以降に本課題開始後の結果も併せて解析・発表予定)。加えて、③土壌有機態炭素貯留量及びその規定要因を制御する遺伝子領域の特定 の前段階として、既に単離・特定されている根系関連遺伝子の遺伝的多様性について文献調査を行い、供試するイネコアコレクション系統の絞り込みや、遺伝子領域特定のアプローチを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
根系や土壌のサンプリングおよびサンプル保管に必要な施設設備が故障し、復旧に時間を要したことから主要な時期・品種のみに限定せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、遅れを取り戻すために、土壌有機態炭素貯留量の品種間差の評価および土壌有機態炭素貯留の規定要因の解析を外気温・外気温+2℃・外気温+4℃に制御した幅広い環境において行い、多様な環境・品種を用いて栽培試験を行うことを予定している。
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Causes of Carryover |
土壌炭素分析に係る試薬・消耗品代を計上していたが、施設設備故障に伴って分析を次年度に実施することとしたため次年度使用額が生じた。
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