2023 Fiscal Year Research-status Report
植物寄生性センチュウ孵化誘引物質の生合成解明による高生産系統の作出
Project/Area Number |
22K14894
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
岡本 拓実 静岡県立大学, 薬学部, 研究支援員 (90885245)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | ジャガイモシストセンチュウ / ソラノエクレピンA / 異宿主発現 / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
世界中で甚大な被害をもたらしているジャガイモシストセンチュウ(potato cystnematode: PCN)の孵化誘因物質として知られているsolanoeclepin A(solA)の生合成遺伝子・経路の同定を目指した。これまでに、ナス科植物のモデル植物であるマイクロトムを用いたゲノムのリシーケンシングや孵化活性に準じたトランスクリプトーム解析を行うことによって、いくつかの遺伝子を生合成候補遺伝子として挙げていた。また、前年度までにマイクロトムを用いた形質転換体の作出や、Nicotiana benthamiana遺伝子一過性発現に関する実験手法の確立・最適化を行った。これより、本年度をこれを適応した実験を行った。RNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出について、特にRNAiをもちいた実験において、solAの生合成基質と考えているcycloartenolの生合成遺伝子であるCAS1の形質転換体が作出でた。また、その発現量がしっかりと低減されていることが確認できた。しかし、PCNに対する孵化活性を測定したところ、発現量の低下に伴う活性の低下は見られなかった。また、Nicotiana benthamianaを用いたアグロインフィルトレーション法による遺伝子の一過性発現に関しても、これまで候補にしてきた遺伝子を発現させている。特に、酸化酵素であるP450に焦点を当て、実験を行ったところ、野生株では確認できない化合物ピークをいくつか発見することができた。そこで、現在は、この新たな化合物の解析に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Nicotiana benthamianaを用いた実験に関しては、これまで候補に挙げていた遺伝子を異種発現させることができ、その機能解析を進めている。しかしながら、最終生産物が微量でしか生産されないことから、その中間体も微量であることが考えられるため、化合物の解析が難航している。また、RNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出に関しては、おおむね順調に進んでいる。しかし、これまで作出した形質転換体の中に孵化活性が減弱したものは見つからなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験手法的には問題はみられないので、これまで通りNicotiana benthamianaへの遺伝子一過性発現とRNAiやCRISPR-Cas9システムを用いた形質転換体の作出を行っていく。その中で、PCNに対する孵化活性の減弱が見られたものや一過性発現によって新たに生産される化合物を詳しく解析する。
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Causes of Carryover |
実験の性質上、細かい金額の物品を購入することがあまりなく、そのため、端数が出てしまった。次年度では植物生理学的実験を織り込んでいるので、そのために使用することを計画している。
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Research Products
(13 results)