2023 Fiscal Year Research-status Report
中大型動物の採食行動が枯死木に生息する節足動物群集にあたえる影響
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22K14918
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
栗原 洋介 静岡大学, 農学部, 特任助教 (70814359)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 枯死木 / 哺乳類 / 節足動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中大型動物による採食行動が枯死木に生息する節足動物群集にあたえる影響を解明することである。そのために、中大型動物の食性調査と節足動物群集調査を行い、中大型動物による捕食がどのような枯死木依存性節足動物に影響するかを特定する。また、RFIDタグを活用した枯死木の追跡調査、自動撮影カメラを用いた中大型動物の行動調査および節足動物群集調査を行い、中大型動物がどれくらい枯死木を移動させるか、それに伴う枯死木の周辺微環境の変化が枯死木依存性節足動物群集を変化させるかを検討する。 本年度、枯死木に生息する節足動物相調査および哺乳類の食性調査のための糞サンプル収集を継続して実施した。これにより、材の物理化学的特性と周辺微環境が枯死木依存性節足動物群集にあたえる影響および中大型動物による捕食の間接的な影響(枯死木が破壊されることによる生息場所の喪失)を受ける節足動物種について検討した。同時に、DNA分析用のサンプルを蓄積することができた。また、屋久島における枯死木バイオマスのモニタリングと自動撮影カメラを用いた動物調査を実施した。2020年に設置した調査区のうち、まだ材の分解が完了していない調査区に加え、本年度これまで設置していた材と異なる特性をもつ材を用いて新たに調査区を設置した。どんな動物が枯死木を訪問・破壊するか、枯死木の体積減少に動物の行動が影響するか、ニホンザルによる破壊が他種の動物の行動に影響するかについてのデータを収集している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
節足動物と哺乳類の調査はおおむね予定通りに実施できているが、当初想定していた規模で RFID タグを用いた枯死木の追跡調査を始めることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、枯死木バイオマスのモニタリングと自動撮影カメラを用いた動物調査、節足動物群集調査および哺乳類の食性調査のための糞サンプル収集を継続するとともに、収集した糞サンプルの内容物分析および DNA 分析用節足動物サンプルの処理をすすめる。また、規模を拡大して RFID タグを活用した枯死木の追跡調査を実施する。
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Causes of Carryover |
日本生態学会大会へ現地参加する予定だったが、オンライン参加に切り替えざるを得ない状況になったため、確保していた旅費を次年度使用額として繰り越すこととなった。次年度の旅費として使用する予定である。
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