2023 Fiscal Year Research-status Report
転移学習と知識グラフを用いたナレッジ活用型AIによる離農予測モデルの開発
Project/Area Number |
22K14959
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
寺谷 諒 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 研究員 (60781698)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 人工知能 / 機械学習 / ナレッジ / 離農 / 地域農業 / XAI / 転移学習 / 知識グラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、他地域の大規模データや既存研究、現場等から得られる知識(ナレッジ)を流用したナレッジ活用型AIによる新たな離農予測モデルを開発し、既存のモデルよりも精度の向上を目指すとともに、XAI(Explainable AI:説明可能なAI)技術により、離農要因を明らかにすることを目的としている。 昨年度に構築した転移学習を利用したモデルをさらにバージョンアップさせるため、今年度は、既存の文献や資料、調査の結果をもとに離農に関連する要因を整理するとともに、それらを変数として組み込むためのモデルの構造について検討した。具体的には、離農に関する外的要因(地域の状況等)を従来のモデルの変数である内的要因(経営体の属性)とあわせて、どのようにモデルに入力するかという点について検討し、新たな構造のモデルを開発した。そして、外的要因として離農と非常に関連の高かった「地域における組織経営体の経営耕地面積シェア」を変数として入力したモデルを構築し、予測精度を検証した。その結果、従来のモデルよりも精度が向上することが確認できた。 また、当モデルで得られる農業経営体数や離農に伴う供給農地面積の予測値については、「地域計画」等を策定する市町村行政等からのニーズが一定程度存在することから、現場の関係者へ予測値を提供するためのWebアプリケーションについても開発を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、離農に関する要因を整理するとともに、それらを変数として適切に組み込むことが可能な新たな構造のモデルを開発することができた。精度検証の結果、モデルの有効性も確認でき、ナレッジ活用型AIモデルの構築に進展がみられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、モデルに入力する変数(離農要因)について、さらに精査を行い、最終的にモデルに入力する知識グラフを完成させる。そして、その知識グラフを入力したモデルの有効性について検証するとともに、XAIの手法を適用し、離農に関して特に重要な要因を抽出する。加えて、開発したモデルで将来予測を行い、予測値を整理するとともに、それらを現場に提供するためのWebアプリケーションを完成させる。
|
Causes of Carryover |
予測値を現場に提供するためのWebアプリケーションの開発ならびに改修作業に予算を充てる予定でいたが、開発スケジュールの遅延により一部の費用を執行することができなかった。次年度に繰り越した予算は、引き続きWebアプリケーションの開発費用として活用する予定である。
|