2022 Fiscal Year Research-status Report
母乳に着目したポリアミンの母仔マウスにおける機能解明
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22K14987
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Research Institution | Kyodo Milk Industry Co., Ltd. |
Principal Investigator |
久米 愛子 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 研究員 (30782536)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポリアミン / 母乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト母乳の組成は非常に多様であり、食事やライフスタイルなど様々な要因の影響を受けることが知られている。ポリアミンは、生体内に普遍的に存在する生理活性物質であり、動物自身が合成するほか、食餌や腸内細菌の代謝産物からも供給され、細胞増殖やオートファジー誘導作用、遺伝子発現調節などといった様々な作用を有する。母乳中にもポリアミンは含まれているが、母体内ポリアミンの泌乳や母乳成分、子の発育・発達における作用には不明な点が多くある。 本年度は、マウスを用いて泌乳期における低ポリアミン状態の影響を検討するために、母マウスの体内ポリアミン濃度を低下させる方法を確立し、母乳成分の分析や離乳までの仔マウスの体重増加の推移を調査した。 体内ポリアミン濃度低減処理として、difluoromethylornithineの皮下投与によりマウスのポリアミン合成を阻害し、低ポリアミン飼料の給餌により食餌由来ポリアミンの供給量を低下させた。本処理を産後1日目から行った結果、母マウスの体重にコントロール群との差はなかったものの、仔マウスの体重増加に鈍化が認められた。また、産後10日目と14日目に採取した母乳を用いて簡易的なスクリーニングを行ったところ、アミノ酸や脂質量にコントロール群との差はなく、乳腺サイズにおいても体内ポリアミン濃度低減処理の有無による顕著な差は認められなかった。現在、他の成分や遺伝子発現などを解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
分析に十分な量のサンプルの採取に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進行中の母乳の解析と並行して、仔マウスの離乳前後の発育・発達の評価を行う。
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Causes of Carryover |
予定していたRNA-seqに使用するサンプルを当該年度内に揃えることが出来なかったため未使用額が発生したが、実験は進行しておりサンプルが揃い次第に受託解析に出す。
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