2022 Fiscal Year Research-status Report
FGF21を介した細胞競合による生体内発がん抑制機構の解明
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22K15098
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 基行 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (10903198)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞競合 / FGF21 / 細胞間相互作用 / シグナル伝達 / 細胞死 / Scribble |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、がん変異細胞等が組織から選択的に排除される現象が発見され、細胞競合と呼ばれている。この分子機構の解明は、新たな分子基盤に基づくがん治療戦略の構築に繋がる重要な課題であるが、細胞競合を駆動する中心分子や制御機構の全貌は未解明である。これまでに私は、哺乳類細胞を用いて線維芽細胞増殖因子FGF21が物理的な力を惹起して細胞競合を誘導することを明らかにし、液性因子を介した新たな細胞競合機構を提唱してきた。本研究ではこの知見を発展させ、FGF21に誘導される細胞競合が生体内で発がん抑制に働く分子基盤を解明する。具体的には、FGF21により細胞競合が惹起されるシグナル伝達経路を解明するとともに、マウスレベルの細胞競合解析系を新たに構築し、FGF21による細胞競合機構が生体内で発がん抑制に働くか検証する。 本年度は、大量の生理食塩水を急速静注することによる水圧により外来遺伝子を肝細胞に導入するハイドロダイナミックインジェクション法と外来遺伝子をゲノムへ挿入するSleeping Beauty法を組み合わせ、マウスの肝細胞に細胞競合を誘導する新たなin vivo細胞競合解析系の構築を試みた。細胞競合を誘導するため、細胞極性を制御するがん抑制遺伝子ScribbleのmiRNAを組み込んだプラスミドDNAを上記の方法で肝細胞の一部に導入した。その結果、EGFPでラベルされたScribble miRNA導入細胞が正常細胞集団中に生じることが免疫組織化学染色で確認され、細胞競合環境の構築に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハイドロダイナミックインジェクション法とSleeping Beauty法を組み合わせた新たなin vivo細胞競合解析系の構築が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo細胞競合解析系を構築し、独自に発見したFGF21による細胞競合機構が生体内でも起こるか検証する。
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Causes of Carryover |
2000円程度の端数が生じたが、翌年度分として請求した助成金と合わせて消耗品費等として使用する。
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