2023 Fiscal Year Annual Research Report
Hippo経路変異が誘発するスーパーコンペティションの分子基盤
Project/Area Number |
22K15102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 理奈 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (80912493)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞死 / オートファジー / 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエ上皮組織に生じたYki活性化細胞は、自身が増殖するだけでなく、周囲の正常細胞に細胞死を誘導するスーパーコンペティションを引き起こす。スーパーコンペティションは細胞競合の一種であり、組織中の適応度の高い細胞(勝者)が適応度の低い細胞(敗者)に細胞死を引き起こして排除する現象である。しかし、Ykiの活性化がスーパーコンペティションを引き起こす分子メカニズムはわかっていなかった。研究代表者らはこれまでに、Yki活性化細胞ではそのターゲットであるmicroRNA bantamを介してTORシグナルが活性化しており、このシグナルが周りの正常細胞の細胞死誘導に必要であることを見いだした。重要なことに、bantamを過剰発現するだけで周囲の正常細胞に細胞死が引き起こされたため、bantamがスーパーコンペティションを引き起こすのに十分であることがわかった。しかしながら、TORシグナルを活性化するだけではスーパーコンペティションは引き起こされなかった。そこで本研究では、「bantamの下流でTORシグナルに加えて周りの正常細胞の細胞死誘導に必要なシグナル因子」を明らかにすることで、スーパーコンペティションの分子機構を明らかにすることを目的とした。令和4年度は、bantam過剰発現細胞(勝者)に変異を誘導していった際に、周囲の正常細胞(敗者)の細胞死が抑制される系統を探索するショウジョウバエ遺伝学的スクリーニングを行った。その結果、正常細胞の細胞死を抑制する複数の遺伝子変異を同定することに成功した。令和5年度は、遺伝学的解析によりこれら遺伝sがスーパーコンペティションを抑制することを見いだした。さらに、bantam+得られた変異の遺伝子発現解析を行うための実験系を構築することに成功した。
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[Presentation] Non-cell autonomous autophagy that drives cell competition2023
Author(s)
Rina Nagata, Asuka C Kido, Lina Zang, Ying Wang, Mingxi Deng, Shu Kondo, Kuniaki Saito, Makoto Matsuyama, Tomoe Kobayashi, Yan Yan, Tatsushi Igaki
Organizer
第3回研究交流サロン
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