2023 Fiscal Year Annual Research Report
Characterizing the roles of oocyte-specific factors in inhibiting unique features of the sperm epigenome
Project/Area Number |
22K15125
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
白根 健次郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50855004)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 卵母細胞 / エピゲノム性差 / DNAメチル化 / ヒストン修飾 / 転写制御因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、卵母細胞において精子型のエピゲノム獲得を抑制する新規因子の同定とその因子の発現制御機構の解明を目的としている。本年度は、(1)雄性エピゲノム抑制候補因子を欠損する卵母細胞の全ゲノムDNAメチル化データの詳細な解析と(2)この候補因子の発現を制御する因子の同定を目指して研究を遂行した。 (1)雄性エピゲノム抑制候補因子を欠損する卵母細胞の全ゲノムDNAメチル化の詳細な解析を行った。予想に反して、因子欠損型の卵母細胞では、卵母細胞型のDNAメチル化パターンを維持していた。次に、卵母細胞において、この因子の発現部位を調べたところ、予想していた核内ではなく細胞質に局在していた。この因子は卵母細胞型のDNAメチル化制御に直接は関与しないもののエピゲノム制御以外の役割を担う可能性を示唆する興味深い知見を得た。 (2)上述の候補因子の発現を制御する因子の同定を目指し、卵母細胞に特異的に発現する複数の転写因子のCUT&RUNを行った。その結果、これらの転写因子が候補因子の転写開始点付近に結合することを発見した。また、その結合部位を欠損する卵母細胞では、実際にこの因子の発現が低下することも確認した。以上、これらの転写因子はこの因子の上流として働き、その発現を正に制御することを明らかにした。 本研究課題と関連した九州大学との共同研究により、DNAメチル化酵素中の特定のアミノ酸残基が卵母細胞の効率的なDNAメチル化導入に必須であることを明らかにした(Uehera et al., 2023)。また、ブリティッシュコロンビア大学と共同で、本研究で扱った生殖細胞のエピゲノム性差確立に関する総説を発表した(Shirane and Lorincz, 2023)。
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[Journal Article] ADAD2 functions in spermiogenesis and piRNA biogenesis in mice2023
Author(s)
Lu Y, Nagamori I, Kobayashi H, Kojima-Kita K, Shirane K, Chang HY, Nishimura T, Koyano T, Yu Z, Castaneda JM, Matsuyama M, Kuramochi-Miyagawa S, Matzuk MM, Ikawa M.
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Journal Title
Andrology
Volume: 11
Pages: 698~709
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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