2022 Fiscal Year Research-status Report
昆虫の運動学習に関わる神経の機能解析とそのネットワーク構造の同定
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22K15160
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
鈴木 力憲 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 研究員 (80836172)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 運動学習 / 運動制御 / 可塑性 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ショウジョウバエをモデルとし、昆虫の運動学習に関わる神経とその回路ネットワークの解明を目指す。昆虫における運動学習を行動学的に観測するため、身体変容とその後の運動機能回復に着目し、これを指標とする新規行動実験パラダイムを開発した。初年度は、Gal4/UASシステムを用いた大規模な神経スクリーニングにより運動学習に関わる神経群の候補をいくつか得ることができた。候補神経群の活動を身体変容後から抑制すると、その後の運動回復に障害がみられた。また、Gal4/UASでは単一細胞の遺伝学的ラベルが難しく、責任細胞を同定することが困難である。そこで、候補となるGal4系統のsplit-Gal4を作製した。今後はこれらのツールを用いることで、昆虫における運動学習関連神経を同定していく予定である。そして、運動学習を成立させる神経メカニズムとして広く一般に受け入れられている「身体内部モデル」の神経実態を、ショウジョウバエを用いて神経分子レベルで解明していくことを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経学的スクリーニングにより候補神経をある程度絞れたことで今後、そのsplit-Gal4を作製し、より詳細に神経を同定することができると考えているため順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
Split-Gal4を用いた詳細な神経探索により、運動学習に関わる神経を同定する。また、同定された神経の回路構造を調べるため、trans-TNGOやBACTRACEなどの神経回路可視化法を用いる予定である。
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Causes of Carryover |
実験に使用する高速度カメラの納期がずれたため。高速度カメラは、ショウジョウバエの各脚の動きを計測するために使用する。
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