2022 Fiscal Year Research-status Report
キツネザル類における化学感覚の局所適応メカニズム:熱帯雨林と熱帯乾燥林の比較
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22K15176
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
糸井川 壮大 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(ポスト・ドクター) (30910492)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 霊長類 / キツネザル / 味覚受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、異なる森林環境に生息する霊長類集団の化学感覚の差とその適応機構を解明する。熱帯乾燥林と熱帯雨林の双方に生息する霊長類種を対象とし、それぞれの森林にのみ分布する近縁別種を比較に利用する。甘味・旨味受容体TAS1R、苦味受容体TAS2R、嗅覚受容体ORを解析し、生息地の異なる集団の比較により、化学感覚の地域差とその適応的意義や生息環境が化学感覚の局所適応に与える影響を見出すことを目指す。本年度は、生息地調査に先立って、配列決定のスキームの検討を実施した。具体的には、試験用サンプルの収集、サンプル保存法の検討、並びに糞便からのDNA抽出法の検討を実施した。次年度以降は、当該年度で用意したサンプルを用いて、複数のシーケンス方法を検討し最適なものを選んだうえで、野外サンプルに適用することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験用サンプルの収集に想定よりも時間を要したこと、並びに研究代表者の職務の都合により生息地への渡航が困難であったため、サンプル入手という点で当初の計画通りには進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
精製した糞DNAについて、複数のシーケンス手法で解析し、その中から最適な手法を選定する。その際、可能な範囲で過去に採材した野生霊長類のサンプルも用いることで、野外サンプルに問題なく適用できるかも確認する。生息地の調査許可の取得には時間を要するため、実験系の確立にある程度見込みが立ったところで調査の段取りも開始する。
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Causes of Carryover |
当初の予定通り実験サンプル収集が進まなかったため、シーケンス実験まで進めなかったことが大きな要因である。幸い年度終盤にサンプル調達の見込みがたったため、次年度前半からシーケンス実験を開始できる手はずになっている。
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