2022 Fiscal Year Research-status Report
堆積物DNAによる過去復元を用いた環境変化に伴う食物網動態の解明
Project/Area Number |
22K15183
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂田 雅之 北海道大学, 農学研究院, 助教 (90909904)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 環境DNA / 過去復元 / 湖沼 / 魚類 |
Outline of Annual Research Achievements |
淡水生態系における食物網構造の変動過程について、湖底の堆積物から過去の生物情報を復元し、人為活動にともなう湖沼食物網の長期変動を記述し、環境変動に対する応答を明らかにすることを目的としている。2022年度にはこのような目的に合致する時間的に高解像度なデータが得られることが期待される年縞を持つ堆積物(年縞堆積物)を福井県の水月湖から採取し、時間的に等間隔かつ高解像度なサンプルを入手した。また、下流の分析のための情報収集、既存のDNA抽出法、検出法の改善を試みた。年内には複数の国内外の学会大会に参加し、堆積物環境DNAに関する知見の集積とそのまとめを発表すると共に情報収集を行った。国際大会では堆積物環境DNAを用いた過去復元に関する成果発表を行い、結果やこの分野の展望について議論を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は予定通り年稿堆積物の採取を実施し、時間的に等間隔かつ高解像度なサンプルを得ることができた。検出感度の改善については情報取集、既存の方法の改善を並行して実施している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度以降は改良したDNA抽出方法をもとにサンプルからのDNA抽出を行う。加えて、調査地に生息するいくつかの代表魚種を中心にDNAを検出し、時間的な変動を復元することを試みる。また、検出方法についてはいくつかの手法を検討し最も感度の高いものを採用する予定である。年度内には学会参加も行い、成果の公表と情報取集を行う。
|
Causes of Carryover |
使用予定であった試薬キットが生産中止になったため代替の検討を行った。一括して購入する予定から変更があったため。次年度はそれらの検討に使用予定。
|
Research Products
(4 results)