2023 Fiscal Year Research-status Report
内在性DNAリガンドによる脳内免疫担当細胞を介したレット症候群発症の分子病態解明
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22K15201
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中嶋 秀行 九州大学, 医学研究院, 助教 (00835390)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MeCP2 / ミクログリア / TLR9 / レトロトランスポゾン / L1 |
Outline of Annual Research Achievements |
MECP2遺伝子変異は、Rett症候群(RTT)をはじめ、自閉症など様々な精神疾患・発達障害への関与が示唆されているが、その発症機序の詳細は不明である。これまで、ニューロンにおけるMECP2の機能異常がRTT発症の原因と考えられてきたが、グリア細胞の機能異常もRTT発症の一因である可能性が示唆されている。本研究では、「内在性DNAによりグリア細胞の異常な活性化が引き起こされる」との仮説のもと、遺伝子欠損マウスの行動解析やグリア機能性分子の探索・同定等の実験を行い、RTT発症に関与する分子メカニズムを明らかにする。 内在性DNAのソースとして、我々はレトロトランスポゾン(LINE1: L1)由来のcDNAをその候補としている。そこで、L1由来のcDNAの産生を阻害することでRTT様の行動表現型が改善するかどうかについて詳細な解析を行った。また、L1由来のcDNAの産生を阻害することでグリア細胞の異常な活性化やニューロンの形態異常が改善するかどうかについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、L1由来のcDNAの産生を阻害することが知られている逆転写酵素阻害剤を用いた行動解析や、それらマウス脳を用いた解析を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型・MeCP2欠損・MeCP2/TLR9欠損ミクログリアでの遺伝子発現を網羅的に解析し、MeCP2KOマウスの表現型に直結する因子の同定を行う。また、ヒトiPS細胞から脳オルガノイドを作製し、同時にヒトiPS細胞からミクログリアを作製し、脳オルガノイドとミクログリアとの混合培養系を立ち上げ、L1-cDNAとミクログリア活性化との関与について解析する。
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Causes of Carryover |
マウスの行動解析実験やそのマウス脳を用いた解析をメインで行ったため、高額な試薬の購入が想定していたよりもかからなかったため。
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Research Products
(3 results)