2022 Fiscal Year Research-status Report
HIVに倣う新規タンパク質分解誘導剤の開発とその応用
Project/Area Number |
22K15243
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
辻 耕平 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (50866639)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HIV / Polo-like kinase 1 / ペプチド / タンパク質分解誘導剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
Human Immunodeficiency Virus type 1 (HIV-1) のアクセサリータンパク質であるviral protein R (Vpr) を利用した新規標的タンパク質分解誘導剤の創製を行った。近年、新たな創薬モダリティの一つとして注目されているPROteolysis TArgeting Chimera (PROTAC) 法は標的タンパク質に対するリガンドとユビキチンリガーゼ (E3) に対するリガンドのコンジュゲートを用いることにより、標的タンパク質のユビキチン-プロテアソームシステム (UPS) による分解を促進する手法である。しかし、現在E3リガンドとしてPROTAC法に用いられるリガンドは限られており、PROTAC法に適用可能な新たなE3ユビキチンリガーゼ複合体およびそのE3リガンドの開発が望まれている。そこで本研究では、HIV-1のVprが宿主のUPSを利用して宿主防御因子を分解することに着目した。がん関連タンパク質であるPolo-like kinase 1 (Plk1) を標的タンパク質とし、Vpr由来ペプチドを新たなE3リガンドとした新規Plk1-PROTACの開発を行っている。本年度はPlk1リガンドおよびVpr由来ペプチドを用いたPlk1-PROTACの設計、合成を行った。さらに、コントロール化合物として既知のペプチド性E3リガンドであるVHL E3リガンドを用いたPlk1-PROTACの合成を行った。これら合成品のPlk1親和性、標的タンパク質分解誘導能、細胞毒性について活性評価系を構築中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はPlk1リガンドおよびVpr由来ペプチドを用いたPlk1-PROTACの設計、合成を行い、2種類のPlk1-PROTAC候補化合物を合成した。さらに、コントロール化合物として既知のペプチド性E3リガンドであるVHL E3リガンドを用いた2種類のPlk1-PROTAC候補化合物を合成した。これら合成品のPlk1親和性、標的タンパク質分解誘導能、細胞毒性について活性評価系を構築中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続きPlk1-PROTAC候補化合物のPlk1親和性、標的タンパク質分解誘導能、細胞毒性について活性評価系を構築、最適化を図る。確立した評価法を用いて本年度に合成したPlk1-PROTAC候補化合物の活性評価を行う。得られた結果を基にリンカーの構造や長さなど化合物の最適化を図る。
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