2023 Fiscal Year Annual Research Report
Novel innovations in cytoplasmic delivery peptides directed at intracellular delivery of antibodies
Project/Area Number |
22K15250
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川口 祥正 京都大学, 化学研究所, 助教 (90936808)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞内導入ペプチド / エンドサイトーシス / 高分子送達 / 抗体 / タンパク質 / 細胞内取込み / in vivo |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞内送達ペプチドと抗体のコンジュゲートによる抗体のサイトゾル送達について検討するとともに、より安全で効率的な新規細胞内送達ペプチドの創製に取り組んだ。細胞内送達ペプチドであるL17ER4について、ソルターゼを用いて抗体とのコンジュゲートを調製した。その後、抗体ーL17ER4コンジュゲートをマウス大腸癌細胞であるColon-26細胞に添加して、免疫染色によって細胞内送達効率を評価した。その結果、送達された抗体と細胞内の標的分子が共局在している様子が観察された。よって、コンジュゲートによって、抗体を細胞内導入可能であることが示唆された。 また、L17ER4は細胞毒性が高く、安全性に懸念があった。そこで、ハチ毒由来の膜傷害性ペプチドであるマストパランを鋳型として、より安全で高効率な新規細胞内送達ペプチドの創製に取り組んだ。グルタミン酸をマストパランに結合させ、毒性を大きく低減し、ポリヒスチジンペプチドを結合させることで細胞内取り込みを向上させたE3MPH16を設計した。E3MPH16は、100 μMにおいても細胞毒性がなく、E3MPと比較して40倍もの細胞内取り込みを示した。よって、E3MPH16は細胞毒性を発揮することなく細胞内取り込みを促進することが明らかとなった。さらに、E3MPH16と高分子モデルとしてAlexa488標識された10kDa DextranとE3MPH16を混合して細胞に添加することで、100%の細胞に対して細胞内導入を達成した。さらにRasに対する抗体をE3MPH16によって細胞内導入することで、がん細胞の増殖抑制を達成した。そして、E3MPH16とNLS-EGFPを担癌モデルマウスに局所投与することで、in vivoにおいてもタンパク質を細胞内導入できることが示された。
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