2022 Fiscal Year Research-status Report
効率的タンパク質分解を実現する革新的分子技術の創出
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22K15251
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高田 悠里 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (20902357)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 有機化学 / ペプチド / タンパク質分解誘導剤 / PROTAC / 構造活性相関 / タンパク質間相互作用 / 創薬 / 固相合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質分解誘導剤(proteolysis-targeting chimeras, PROTACs)の創製には、標的タンパク質の適切なリガンドが必要であり、かつ数多くの最適化を要する。そのため、簡便に設計・合成可能かつ幅広い標的に適応可能なPROTACの開発基盤技術が強く求められる。 本研究では、ペプチドのステープル化を基盤としたペプチド性PROTACの開発により、効率的に広範に適用可能なPROTACの創製を実現する革新的分子技術を確立することを目指す。 本年度は、リシン特異的脱メチル化酵素1(LSD1)を標的タンパク質とし、ペプチド性PROTACの創製研究を展開した。LSD1は種々のがん細胞において高発現しており、がん細胞の増殖に関与していることから、LSD1の阻害はがんに対する有効な治療手法として期待される。また、LSD1は転写因子SNAIL1と相互作用し、その相互作用阻害は抗がん活性を示すと期待されている。そこで、SNAIL1の配列を基盤とした新規LSD1分解誘導ステープルペプチドの設計および合成に着手した。まず、ペプチド配列に組み込む数種類の非天然アミノ酸のFmoc保護体の合成およびペプチドのステープル化に用いる種々架橋鎖の合成を行った。さらに、非天然アミノ酸を組み込んだ数種類のペプチドを合成し、ステープル化における反応条件の検討を行った。現在までに、ステープル化を行うアミノ酸残基の位置および架橋鎖を種々変換した複数のステープルペプチドの合成に成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペプチド配列に組み込む数種類の非天然アミノ酸の合成およびペプチドのステープル化に用いる種々架橋鎖の合成を完了した。さらに、非天然アミノ酸を組み込んだ数種類のペプチドを合成し、数種類のステープルペプチドの合成を完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、ステープルペプチドの設計および合成、活性評価、機能評価を遂行し、新規ペプチド性PROTACの創出を目指す。
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