2023 Fiscal Year Research-status Report
酸塩基反応型ペプチド固相合成用アミン呈色試薬の開発と実用化研究
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22K15265
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
梅野 智大 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40879524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アミン検出 / ペプチド固相合成 / カイザーテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究により開発に成功したアミン検出試薬を実際のペプチド固相合成におけるアミン検出に用い、その検出の再現性やペプチド配列の種類などを調査した。アミン検出の結果はアミン検出前の樹脂の洗浄と乾燥に影響を受けることが分かり、洗浄回数と乾燥時間を固定することでアミン検出結果の再現性を高めることに成功した。ジクロロメタンでの洗浄が効果的であり、前段階の洗浄で残留しているN,N-ジメチルホルムアミドの完全な除去と乾燥時間の短縮が可能であった。ペプチドの配列として、従来のペプチド固相合成用アミン検出法であるカイザーテスト(ニンヒドリン反応)で検出できない二級アミノ酸プロリンのみからなるオリゴペプチドの合成とアミン検出を行った。カイザーテストではアミン検出ができないことが確認された一方で、我々の手法ではすべての段階で問題なく検出でき、我々の手法の有効性を示すことに成功した。このとき得られたペプチドは、アミン検出の際に樹脂の分取が不要であるという利点から、カイザーテストを用いて合成した場合と比較して高収率で単離することが可能であった。また、特筆すべきこととして、我々の手法で合成したペプチドはすべてのアミノ酸を検出でき、反応の進捗を確認できたため、カップリング反応の繰り返しなど適切な処理を行うことができ、粗生成物でも不純物を含まない高純度のペプチドを合成できた。以上の研究結果をもって、本研究成果を学術論文として報告することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って研究を行うことで期待した成果が得られており、学術論文として報告することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究で塩酸塩型アミン検出試薬がペプチド固相合成に利用できることが確認できており、今後は長波長吸収をもつ分子の開発と利用可能な固相樹脂の範囲拡大を目指す。
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Causes of Carryover |
研究計画に従い新たなアミン検出試薬を複数合成したが、手持ちの試薬で遂行できた部分もあったため、計画していた予算から差額が生じた。
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Research Products
(4 results)