2022 Fiscal Year Research-status Report
シングルリファレンスHPLC法による新たなパターン認識の開発と製剤検査の応用
Project/Area Number |
22K15267
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
高橋 未来 国立医薬品食品衛生研究所, 食品部, 任期付研究員 (70907047)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HPLC / シングルリファレンス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、定量用標準品が入手困難な化合物をターゲットとして、簡便かつ汎用性のあるトレーサビリティな定量法、シングルリファレンス(Single reference, SR )-HPLC法を開発してきた。2022年度では、分析対象化合物に最適なSRを入手するため、リファレンスデザイン(Design of Reference, DoR)を中心に研究を遂行した。DoRでは、分析対象化合物について吸収極大に関与する化学構造に着目し、 その吸収帯に影響を及ぼさない、かつクロマトグラフィーの保持時間を調節可能な官能基(アルキル基)を導入することを検討した。具体的に、カンナビジオール(Cannabidiol, CBD)を中心としたカンナビノイドを対象とした。これらはマリファナの主成分であるテトラヒドロカンナビノール(Tetrahydorocannabinol, THC)と異なり、精神作用を持たない鎮静効果を持つことより、近年、健康食品やサプリメント等で注目されている。ただし、健康食品中のCBD含有量について、国内における規制がまだ確立されていないため、CBD製品の品質が懸念されている。そこで、本研究では、CBDの化学構造式の2か所のヒドロキシ基に注目し、これらを有機合成によりメトキシ化することを試みた。得られた生成物を単離精製し、NMRにより構造決定し、HPLCのクロマトグラム上(検出波長254 nm)で生成物の純度を確認した。その結果、生成物は高純度なメトキシ化したCBD(純度95%以上)であることを同定した。入手した生成物をCBDのSRとして採用したかったが、当該の化合物は単離精製が難しく、収率がかなり低かったという問題点があった。そのため、CBDの部分的な構造に着眼し、類似した化合物かつ高収率で得られるSRを模索していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度から勤務先が変更になり、上半期は研究環境の準備に時間を要した。そのため、当初の目標であったSR-HPLC法の開発まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、昨年度では合成デザインしたSRの収率が低かったため、他のSR候補化合物を探索していく。複数のSR候補化合物を検討することができれば、それらを実際にHPLC分析し、保持時間やピーク形状を確認し、最適なSRを選択し、CBD類のSR-HPLC法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
2022年度では、新型コロナの影響により、予定していた国際学会での学会発表ができなかったことが大きく影響した。さらに、国内の学会も殆どがオンライン開催が多く、その分、次年度使用額が生じてしまった。2023年度では、既に国際学会(DIOXIN2023, オランダ開催)の発表が決まっており、国内の学会も対面で積極的に参加する予定である。
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Research Products
(5 results)