2023 Fiscal Year Annual Research Report
リン脂質sn-1位脂肪酸規定分子の解析と標的分子探索技術の確立
Project/Area Number |
22K15273
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
川名 裕己 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (40846672)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 褐色脂肪組織 / 寒冷刺激 / ベージュ化 / クリック反応 / PAQR |
Outline of Annual Research Achievements |
①LPLAT7/LPGAT1に関して欠損マウスを用いた解析から網膜組織の維持に必須の因子であることを明らかにした。最終年度では脂肪組織に着目した解析を行なった。脂肪組織の中でも褐色脂肪組織において、マウスを寒冷ストレスに暴露することでLPLAT7が発現上昇した。またLPLAT7がその産生に関わるステアリン酸含有リン脂質の増加が誘導された。脂肪組織特異的LPLAT7欠損マウスを用いて解析を進めると欠損マウスでは褐色脂肪組織において脂肪蓄積が抑制される傾向を認めた。また白色脂肪組織においても寒冷刺激時のベージュ化が抑制される傾向にあることを見出した。これらからLPLAT7は寒冷刺激時にステアリン酸含有リン脂質を産生することで脂肪組織において機能を持つ可能性が示唆された。 ②アルキン脂肪酸やアジド脂肪酸を培養細胞に添加し、クリック反応により蛍光団を付与することで細胞レベルでの可視化を試みた。特に各種LPLAT発現細胞においてはその発現部位である小胞体にシグナルが観察され、LPLATによる脂肪酸の導入の可視化に成功した。特にLPLAT7発現細胞では小胞体の中でも3-way-junctionと呼ばれる小胞体の網目構造が交差する部位で強いシグナルが観察されたことからLPLAT7の小胞体における機能的部位が明らかとなった。 ③新規PLA分子探索の過程で見出したPAQRファミリー分子は過剰発現細胞において顕著なリゾリン脂質の増加を誘導した。最終年度はさらに詳細なリン脂質の解析を行なった。その結果、過剰発現細胞や発現抑制細胞ではリン脂質の脂肪酸分子種の変化も観察された。その変化はPAQRファミリー分子ごとに異なっており、特定のファミリー分子が特定のリン脂質分子種の形成に関わることが判明した。PAQRファミリー分子はリン脂質の脂肪酸部を規定する重要なリモデリング因子であることが明らかとなった。
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[Journal Article] Structural basis for lysophosphatidylserine recognition by GPR342024
Author(s)
Izume Tamaki、Kawahara Ryo、Uwamizu Akiharu、Chen Luying、Yaginuma Shun、Omi Jumpei、Kawana Hiroki、Hou Fengjue、Sano Fumiya K.、Tanaka Tatsuki、Kobayashi Kazuhiro、Okamoto Hiroyuki H.、Kise Yoshiaki、Ohwada Tomohiko、Aoki Junken、Shihoya Wataru、Nureki Osamu
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 15
Pages: 902~902
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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