2023 Fiscal Year Research-status Report
タスク経験の記憶固定化に着目した仕事中毒の神経基盤の解析
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22K15291
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅岡 希美 京都大学, 医学研究科, 助教 (90826091)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 習慣 / 強迫 / 前頭皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
心身を削って仕事に没頭する「仕事中毒」は世界的な労働問題である。仕事中毒は単なる性格の問題ではなく、仕事量の多さと仕事に対する強迫観念により定義される意思決定機能の障害であるが、こうした不自然な働き方を引き起こす神経機構は不明である。本研究では、不適切な仕事経験から、必要以上に過剰な行動(過労)が習慣化してしまうことが仕事中毒発症のトリガーとなっているとの仮説の下、仕事中毒の発症や脆弱性を規定する要因を解析している。前年度までに、一度学習した行動が、報酬獲得を目的とした目的指向行動から、自動的な応答である習慣行動へと変化する様を経時的に評価できる行動試験系を確立した。この試験系を用いて、「必要以上に過剰に」行動を繰り返すようなマウスを見出しており、その神経メカニズムを検討してきた。電気生理学的手法による興奮性シナプスの可塑的変化、化学遺伝学的手法による特定脳領域の神経細胞の活性化/抑制の実験より、習慣形成の有無、行動量の多寡は前頭皮質の異なる脳領域で調整されていることが示唆された。そこで、実際にマウスが行動をしている際に、行動への関与を見出した前頭皮質の神経細胞が「いつ」「どのように」活動しているのかを検討している。具体的には、Ca2+に結合し蛍光を発するタンパク質、GCaMPを特定神経細胞に強制発現させたマウスに頭部装着型小型蛍光顕微鏡を装着し、行動中の神経活動を蛍光強度の変化として計測している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動の習慣化に伴い、行動量が維持されるか否かの違いの原因となる脳部位、神経細胞を見出した。また、実際の行動中にその神経がどのように活動しているのかを、in vivo Ca2+イメージングを用いて測定した。また、神経活動データと行動データを合わせて解析し、神経活動を変容させる要因を検証中である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は、得られたデータの解析中であり、本年度中に成果を国際誌へ投稿予定である。また、本研究により確立した行動試験系を、精神疾患モデルにも適用し、精神疾患による習慣の以上のメカニズムも検証していく予定である。
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