• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

SLCOトランスポーターをコアとするチャネル活性発現機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K15295
Research InstitutionTakasaki University of Health and Welfare

Principal Investigator

中村 吉伸  高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教 (60880317)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
KeywordsSLCO2A1 / Maxi-Cl / トランスポーター / チャネル / プロスタグランジン
Outline of Annual Research Achievements

生体内イオンの細胞膜透過を担うトランスポーターとチャネルは構造、性質的に似て非なる膜タンパク質であるが、中には両方の活性を持つタンパク質がいくつか報告されている。しかし、その活性発現調節機構や二重活性を有する生理学的意義については解明されていない例が多い。本研究では、プロスタグランジン (PG) トランスポーターおよびMaxi-Clチャネルの二重機能を持つことが近年新たに明らかとなったSLCO2A1について、その活性発現機構と生理学的意義の解明、さらにはチャネル活性を有する他SLCO分子の探索を目的に研究を行っている。2022年度は、SLCO2A1のトランスポーター/チャネル活性使い分け機構の解明を目的に検討を行った。これまでに、SLCO2A1のチャネル活性が報告されたマウス乳腺由来C127細胞ではPG輸送とMaxi-Clの両活性が発現すること、また本細胞にMaxi-Clを活性化させる低張刺激を与えてもPG輸送活性がほとんど変化しないことを見出した。さらに、Maxi-Cl活性化に必須なアクセサリータンパク質ANXA2/S100A10を遺伝子欠損させてもPG輸送機能が維持されたことから、これらはPG輸送に必須でないことも明らかになった。したがって、SLCO2A1はPGトランスポーターとして常時機能しながら、特定の刺激に応じてMaxi-Cl活性を発現する膜タンパク質であることが示された。
このほか2022年度は、ANXA2/S100A10以外のMaxi-Clアクセサリータンパク質探索のためのFLAGタグ結合SLCO2A1発現細胞を構築した。抗FLAG抗体を用いた免疫沈降法により、少なくともSLCO2A1とANXA2の結合が確認できたため、今後は免疫沈降サンプルについてプロテオミクス解析を実施し、未知のMaxi-Clアクセサリータンパク質探索および相互作用メカニズムの解明に取り組む予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Maxi-Cl活性化に必須な低張刺激およびアクセサリータンパク質がSLCO2A1のPG輸送に及ぼす影響について明らかにすることができ、SLCO2A1がどんな時にPG輸送/チャネル活性を発現するのかがおおよそわかってきたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。

Strategy for Future Research Activity

2023年度以降はMaxi-Cl活性化の詳細な分子機序を明らかにするため、SLCO2A1とアクセサリータンパク質間の相互作用メカニズムの解明に取り組む。また、SLCO2A1によって輸送されるPGE2やATPおよびグルタミン酸はいずれも炎症や免疫等と密接に関わる生理活性物質であるため、これらがSLCO2A1によって同時に調節される病態生理学的意義を明らかにする。さらには、SLCOトランスポーターは比較的高い相同性があるため、SLCO2A1以外にMaxi-Clチャネル様の活性を有するSLCO分子の探索も進める予定である。

Causes of Carryover

SLCO2A1のトランスポーター/チャネル活性使い分け機構の解明には、(1) SLCO2A1を高発現すること、および (2) 二重活性を有することの二条件を満たす細胞が必要であった。したがって、研究開始当初は実験に使用可能な細胞探索から行う予定だったが、第一候補としていたC127細胞が二条件を満たすことが早々にわかったためこれを用いた。結果的に、細胞探索に用いる為の培養関連試薬の購入費が抑えられた。これらは今後予定しているプロテオミクス解析やチャネル活性を有する他SLCO分子の探索に使用する細胞および培養関連試薬の購入費に充てる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2023 2022 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] N-glycosylation modifies prostaglandin E2 uptake by reducing cell surface expression of SLCO2A12023

    • Author(s)
      Nakamura Yoshinobu、Aizawa Chisato、Kawata Hinako、Nakanishi Takeo
    • Journal Title

      Prostaglandins & Other Lipid Mediators

      Volume: 165 Pages: 106714~106714

    • DOI

      10.1016/j.prostaglandins.2023.106714

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] プロスタグランジン膜輸送体SLCO2A1の細胞内局在におけるN型糖鎖修飾の役割2022

    • Author(s)
      中村 吉伸, 相澤 千里, 川田 日向子, 中西, 猛夫
    • Organizer
      第37回 日本薬物動態学会年会
  • [Presentation] N型糖鎖修飾によるプロスタグランジン膜輸送体SLCO2A1の細胞内局在変動2022

    • Author(s)
      中村 吉伸, 相澤 千里, 川田 日向子, 中西, 猛夫
    • Organizer
      第16回トランスポーター研究会年会
  • [Presentation] SLCO2A1欠損によるブレオマイシン誘発性炎症増悪の分子機序2022

    • Author(s)
      中西 猛夫, Shumba N. Melody, 中村 吉伸
    • Organizer
      第43回 生体膜と薬物の相互作用シンポジウム
  • [Remarks] 高崎健康福祉大学薬学部 分子動態制御学研究室ウェブページ

    • URL

      https://www.molecularkinetics.org

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi