2023 Fiscal Year Research-status Report
耐性遺伝子を指標とした微生物資源からの新規薬剤シーズの探索
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22K15305
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堤 隼馬 北里大学, 感染制御科学府, 特任助教 (40903274)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 天然物 / 耐性遺伝子 / ゲノムマイニング / 生合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の微生物ゲノム配列解読により、微生物は実際に取得されている数以上の天然物の生産能力を有していることが明らかになってきた。そのため、ゲノムデータを利用した天然物探索も盛んに行われるようになった。しかし、ゲノムベースが膨大であることもあり、探索標的の選定に工夫が必要で、労力もかかるため、効率的かつ有効にデータを利用した天然物探索は行うことができていない。本研究ではゲノムデータベースに登録されているゲノムデータの中から、耐性遺伝子を指標に天然物の生合成遺伝子クラスター (BGC) を探索することを目的とした。探索には網羅的に様々な標的BGCを探索するため、目的の耐性遺伝子を含むBGCを自動で探索プログラミングを構築し、効率的かつ網羅的にゲノムベース探索を行う
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は昨年度に構築したシステムの改良と昨年度のシステムを用いて見出した生合成遺伝子クラスターにより合成される化合物の同定を試みた。前者では、解析の速度を向上することには成功したが、他の研究者が容易に利用できるシステムの構築には至らなかった。後者では複数株の遺伝子破壊株の構築に取り組んでいたが、破壊株の取得には至っていなかった。そのため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに構築したシステムでは解析によりヒットした耐性遺伝子候補とクラスターの紐付けの段階でやや煩雑な操作が必要であった。そこで、今年度は紐付けまでをオートメーション化できるようなシステムに改良を行う。また、構築したシステムを利用してこれまで見出した生合成遺伝子クラスターにより合成される天然物の取得を目指す。また、本解析で既知化合物であるが、薬剤標的が決定できていない化合物の生合成遺伝子クラスターも見出した。そのため、この化合物の標的が予想された遺伝子産物であるかも解析する。
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Causes of Carryover |
今年度前期途中までに育児休暇を申請し、5ヶ月の育児休暇を行ったことにより実験中断期間があったため。
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