2022 Fiscal Year Research-status Report
慢性骨髄性白血病患者を対象とした経口分子標的薬の来院不要な治療評価体制の構築
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22K15313
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
向 祐志 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (10711830)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | dried blood spot / TDM / micro sampling / VAMS / BCR::ABL1 / chronic myeloid leukemia |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、実施中の臨床研究(UMIN000045520)において、慢性骨髄性白血病患者が指先穿刺法で作成したdried blood spots (finger-prick DBS) 4 spotsのうち1 spotを用いて、来院不要なチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)濃度測定体制の実現可能性を評価することを主たる目的とした。本研究課題では、他の研究での使用実績が多く、諸外国では医療機器としても承認されている均一容量吸収型採血器具であるMitra Clamshellを採用した。 これまでに得られた31件の患者検体について、バリデーション済みの分析法により、finger-prick DBS中TKI濃度を測定した。31検体中2検体で、定量下限未満の結果が得られた。それらの2検体については、finger-prick DBS作成前後30分以内に得られた血漿中TKI濃度も低値を示したため、当該患者の服薬アドヒアランス不良が疑われた。 Finger-prick DBS作成の前後30分以内に静脈血を採取できた患者については、静脈血で作成したDBS (venous DBS) ならびに血漿中TKI濃度も測定した。研究期間終了後に、両検体間でのTKI濃度の一致度を確認する計画である。また、Mitra Clamshelを用いた自己指先穿刺による採血と従来の静脈穿刺による採血に対する意識調査用アンケートについては、8名から回答が得られた。 DBSから抽出したRNAを用いたBCR::ABL1 mRNAの定量条件については、申請当初に計画していた試薬を用いた場合には困難である可能性が示された。このため、2023年度に試薬の選定を含め、最適な反応条件を探索する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症蔓延に伴い、研究計画時の想定よりも患者登録に時間を要したことにより、当初の研究期間である2023年3月末日までに目標症例数を達成することができない見込みとなった。このため、研究期間を2024年3月末日まで延長するとともに、研究機関を追加し、予定した検体数を確保できるように体制整備を行った。 このため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、円滑な患者登録を図るとともに、特にBCR::ABL1 mRNA定量条件の探索にエフォートを割く。
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