2022 Fiscal Year Research-status Report
誤嚥性肺炎の経験的治療におけるセフトリアキソンの有効性および至適投与法の探索
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22K15318
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 秀雄 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00905432)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / セフトリアキソン / 至適投与法 / メタ解析 / 感染モデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会へと突入した日本において、肺炎は最も頻繁に遭遇する疾患の一つであり、COVID-19患者でも細菌性肺炎が併発していることが示唆されている。そこで、細菌性肺炎における最適な経験的治療法を検討した。まず、本邦のガイドラインで初期治療として推奨されているセフトリアキソン(CTRX)とスルバクタム・アンピシリンについてメタ解析を用いて比較したところ、有意な差は認められないものの、CTRXで死亡率の低下が認められた。次に、有効性が高かったCTRXの至適投与法について後方視的観察研究を実施した。その結果、2gの単回投与が1gの2回投与に比して臨床症状の改善率が高く、胆石の発現率が低いレジメンであることを明らかにした。しかしながら、実臨床では、抗菌薬投与後の細菌培養はほとんど行われておらず、微生物学的有効性を評価するのは困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、メタ解析の英語論文の報告までであったが、現在、セフトリアキソンの至適投与法に関する後方視的観察研究の結果も英語論文として報告している。さらには、基礎研究に関して動物実験倫理審査委員会の審査・承認を既に受けている。
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Strategy for Future Research Activity |
後方視的観察研究で微生物学的有効性を評価できなかったため、肺炎モデルマウスを用いた微生物学的評価および炎症所見への影響を調査し、誤嚥性肺炎におけるCTRXの至適投与法を検討する。
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Causes of Carryover |
メタ解析および臨床研究に使用する経費が当初の計画よりも少なく済んだため、動物実験で使用する消耗品などの経費に使用する予定である。
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