2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模医療情報を用いた薬剤性心筋炎治療薬の探索および有効性の検証
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22K15319
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
新村 貴博 徳島大学, 病院, 特任助教 (50910014)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大規模医療情報 / 心筋炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模医療情報を活用した創薬手法により、抗がん剤関連心筋炎に対する新規治療薬を探索し、その作用機序を解明することを目的とする。
2022年度は、大規模医療情報を用いてinverse signalを解析することで抗がん剤関連心毒性の頻度を減少させる薬剤を探索する予定であった。WHOが提供する、世界最大規模の有害事象自発報告データベース VigiBaseを用いた解析より、既存薬の一つが抗がん剤誘発心毒性の報告頻度を低減させていることが明らかとなった。この候補薬剤は、先行研究においてもいくつかの心血管疾患に対する治療効果が認められており、2023年度以降は、本薬剤に関して、動物実験による有効性の検証を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り2022年度は、医療情報データベースを用いて、抗がん剤誘発心毒性に対する治療薬候補を抽出することができた。そのため、当初の計画にそって順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、研究代表者が開発した抗がん剤誘発心毒性モデルマウスに、候補薬剤を投与し、心筋における炎症や線維化に対する影響を評価する予定である。また、qPCRやマイクロアレイ解析などを通して、候補薬剤の作用メカニズムに関する検討も進めていく。
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Causes of Carryover |
2022年度の医療情報データベースの解析がスムーズに進展したため、2023年度の動物実験に必要な予備検討を一部実施した。そのため、2023年度の交付予定額の一部に関して、事前交付を申請し、研究を遂行したため、次年度使用額が生じた。2023年度分の研究費と合わせ、動物実験に用いる各種試薬および実験動物の購入に用いる予定である。
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