2022 Fiscal Year Research-status Report
CYP3A4活性予測尿中バイオマーカーを利用した薬物投与設計法の開発
Project/Area Number |
22K15333
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
公文代 將希 東北大学, 大学病院, 助教 (30908778)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CYP3A4 / バイオマーカー / LC-MS/MS / TDM |
Outline of Annual Research Achievements |
薬物代謝酵素シトクロムP450(CYP3A4)は臨床で使用される医薬品の50%以上の代謝反応に寄与するため、患者における治療効果の獲得や副作用発現に大きく影響する。CYP3A4活性は数十倍の個人差が存在することが明らかとなっているほか、誘導薬や阻害薬の併用などの影響も受けるため、それらを考慮した投与量設計が重要となる。これまでに様々なバイオマーカー候補化合物(4β-ヒドロキシコレステロール、6β-ヒドロキシコルチゾール、1β-ヒドロキシデオキシコール酸など)が報告されているが、いずれのバイオマーカーが血中薬物濃度との相関が強いか明らかとなっていない。本研究では非侵襲的なCYP3A4活性予測法の開発と血中薬物濃度との関連性から見いだされる投与量設計法の開発を目的とした。はじめにLC-MS/MS条件、検体の前処理方法などを検討し、尿中内因性CYP3A4バイオマーカーである6β-ヒドロキシコルチゾール、1β-ヒドロキシデオキシコール酸ならびにそれらの基質化合物の一斉定量系を構築を行った。本測定系を利用して健常人の尿中バイオマーカー濃度を測定したところいずれも検量線範囲内に収まることが確認され、臨床研究につなげる有益な情報が得られた。現在、レンバチニブ、タクロリムス、ベネトクラクスなどCYP3A4基質薬物を服用している患者における血中薬物濃度と尿中内因性CYP3A4バイオマーカー量との関連を評価するための臨床研究を進めており、CYP3A4活性情報に基づいた至適投与量予測法の開発を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
尿中内因性CYP3A4バイオマーカー一斉定量系を構築し、特定の医薬品服用患者における血中薬物濃度との相関解析に向けた検体収集を継続できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き検体収集、血中薬物濃度測定、尿中バイオマーカーの定量を行い、相関解析を行う。血中薬物濃度測定については患者の服用タイミングを加味し、非線形混合効果モデルを利用してトラフ血中濃度を算出して評価し、採血同日尿中のバイオマーカー濃度との相関を解析する。投与量設計はステップワイズ法により血中濃度予測に有用なパラメータ精査のもと行う。
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[Presentation] 尿中内因性CYP3A4活性バイオマーカーの一斉定量系構築と臨床応用2022
Author(s)
公文代將希, 前川正充, 菊地正史, 小川玲佳, 岩崎瑞生, 押切華映, 齋藤明博, 二宮匡史, 井上淳, 佐藤真実, 中島範昭, 眞野成康
Organizer
第96回日本薬理学会年会 / 第43回日本臨床薬理学会学術総会