2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K15353
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
渡邉 怜子 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (30727326)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 薬物動態 / in silico / 予測モデル / データ収集 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中枢移行に関与する複数の薬物トランスポーターの寄与を考慮することで、現状の中枢移行性予測モデルの予測精度を向上させ、さらに予測モデルのヒトデータへの外挿性を検証することを目的としている。そのために①大規模かつ質の高いデータ収集、②AIを用いた中枢移行性予測モデルの構築、③ラット中枢移行性予測精度の検証、④ヒトデータへの外挿性の検証を実施する。 今年度は主に①について取り組み、BCRP, MRP4, OATPなどP-gp以外のトランスポーターの輸送能データ(ラット及びヒト)、fu,p(ラット及びヒト)及びfu,brain(ラットを中心とした動物実験データ)データ、Kp,brain及びKp,uu,brain(ラット及びヒト)などのデータを網羅的に収集した。BCRP, MRP4, OATPに関しては、阻害データと基質データが混在していたことから、されなるキュレーションの必要性が示唆された。fu,pに関しては公共データより最新の差分データを収集した。fu,brain, Kp,brain, Kp,uu,brainに関しては、これまでに収集したデータとの差分データ数は想定より少ないことが明らかとなった。このことから、今後は様々なデータベースを用いた検索を行いデータの拡充を試みる必要性が示唆された。並行して、学会に参加するなどして薬物動態に関する情報収集を実施した。今回の予測モデルの組み合わせで予測するパラメータの場合、それぞれの予測モデルの精度検証及び全体の精度検証が非常に重要で、適応範囲を示す手法を検討していくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は大規模なデータ収集を実施する計画であった。申請時点と現在で所属が変わったことに伴い、予定していた大規模なデータ収集に使用予定のソフトウェアの利用が難しくなったが、データ収集対象を公共データに変更してデータ収集を行った。想定よりデータ数は少なくなったものの、収集したデータ内でどのような解析が可能かを検討し、方向修正を行った。このことから、概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、データ収集及びキュレーション作業を行う。また、BCRP, MRP4, OATPのトランスポーターの輸送能を予測するモデルをAI(主に機械学 習)を用いて構築し、予測精度の検証を実施する。さらに、予測結果をラットKp,uu,brainの予測モデルに中枢移結果の組み込みを試みる。予測精度はWatanabe et al, J Med Chem, 2021のモデルと精度比較する。
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Causes of Carryover |
ライセンス契約を予定していたソフトウェアの契約条件が合わず購入できなかったため。
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Research Products
(1 results)