2022 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンド量子センサーを用いた心筋収縮制御特性の温度生理学
Project/Area Number |
22K15367
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
石井 秀弥 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 量子機能創製研究センター, 研究員 (10880651)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 局所加熱 / 心筋 / 骨格筋 / 筋収縮制御 / 体温 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、心筋収縮中の体温ひいては温度の役割に着目し、「哺乳動物の筋収縮制御はどの様に行われているか?そのとき体温はどのように利用されているか?」を解明することを目標に、心筋の筋収縮に関連するタンパク質一分子から細胞の階層にかけて、筋収縮時の温度や活動電位を計測・評価する。さらに所属機関で開発中の、温度や磁場が同時に高感度で計測出来るダイヤモンド半導体を用いた高機能センサーを用いて、その材料評価や作成技術と組み合わせることで、新たな生命現象の計測技術基盤の構築、さらに「心筋熱生理学」の創成を目指す。 そこで初年度は体温における心臓ひいては骨格筋の筋収縮システムに着目して、タンパク質一分子スケールにおける筋収縮システムを精製タンパク質から再構成し、赤外光レーザーを集光し水に吸収されることで任意の位置に瞬時(1秒以内)に局所的な熱源を形成する局所加熱レーザー顕微システムを用いて解析した。心筋再構成収縮システムと骨格筋再構成収縮システムの両者における、特に体温付近での温度感受性の違いを明らかにし、各々の筋収縮システムの生理的機能における熱シグナルとの関係、その意義を見出した。その成果については国内学会にて招待講演を行い、また学会での発表を行なった。また、タンパク質レベルでの感温システムについて担当し細胞内熱シグナリングに関する解説記事を共同執筆した(大山、石井、鈴木 生物工学会誌, 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに研究を遂行し、招待公演や学会発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、引き続き研究を推進してまとめた研究成果を学術論文誌で発表することを目指す(執筆中)。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での課題は特にない。
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Causes of Carryover |
初年度で行ってきたセンサー材料開発の進捗に合わせて大型装置の購入予定を次年度に回したため。
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