2022 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺癌の発生早期に関わる遺伝子異常の解明:混合型小細胞肺癌を対象とした探求
Project/Area Number |
22K15403
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
太田 昌幸 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (40866612)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 混合型小細胞肺癌 / 小細胞肺癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は混合型小細胞肺癌と純型の小細胞肺癌の症例抽出と臨床病理学的因子の再評価、免疫組織化学による解析を行った。 各癌腫成分の分化、神経内分泌形質、遺伝子異常に関連したタンパク発現を確認するため、非小細胞肺癌の分化に関連する抗体(TTF1, Napsin A, p40, CK5/6)、神経内分泌形質に関連する抗体(INSM1, ASCL1, Chromogranin A, Synaptophysin, CD56)、小細胞肺癌の遺伝子異常に関連する抗体(p53, RB, p16)を用いて免疫組織化学染色を行った。大部分の小細胞肺癌は、p53およびRBが変異パターンの染色性を示し、過去に報告された遺伝子異常と合致する結果であった。一方で、小細胞肺癌成分と非小細胞肺癌成分とでは遺伝子異常の違いを示唆する結果が得られており、予後や臨床病理学的特徴の相違について解析を進めている。 また、近年、小細胞肺癌はASCL1, NEUROD1, POU2F3, YAP1の4つの転写因子・転写共役因子でサブタイプ分類できることをRudinらが報告し、受け入れられつつある。混合型小細胞肺癌と純型の小細胞肺癌との間で、これらの発現に差があるかを免疫組織化学染色により解析する準備を進めている。今後は、並行して行っている次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子変異解析の結果も踏まえ、タンパク発現解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子解析に用いる核酸抽出に時間を要し、当該年度の研究の一部が次年度繰り越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
混合型/純型小細胞肺癌の各成分の遺伝子異常を明らかにするため、次世代シークエンサーを用いた解析を行う。免疫組織化学染色により得られた知見と合わせて、タンパク発現解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
網羅的遺伝子変異解析などの当該年度の研究の一部が次年度繰り越しとなったため。
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[Journal Article] ホルモン療法併用重粒子線治療後に発生した前立腺小細胞癌症例における治療と免疫組織学的検討2022
Author(s)
小宮 顕 , 小島 聡子 , 山崎 一人 , 藤本 歩 , 坂本 信一 , 池田 純一郎 , 太田 昌幸 , 今村 有佑 , 佐塚 智和 , 市川 智彦 , 滝口 裕一
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Journal Title
日本内分泌学会雑誌
Volume: 98
Pages: 404
Peer Reviewed
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[Presentation] 特発性肺線維症合併肺癌における周術期の抗線維化薬(ピルフェニドン)が及ぼす病理組織像の検証2022
Author(s)
太枝帆高 , 坂入祐一 , 太田昌幸 , 佐藤祐太朗 , 祖父江晃向 , 中山浩介 , 山中崇寛 , 由佐城太郎 , 西井開 , 伊藤祐輝 , 松本寛樹 , 海寳大輔 , 畑敦 , 田中教久 , 芳野充 , 鈴木秀海 , 池田純一郎 , 吉野一郎
Organizer
日本呼吸器外科学会総会
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[Presentation] ホルモン療法併用重粒子線治療後に発生した前立腺小細胞癌症例における治療と免疫組織学的検討2022
Author(s)
小宮 顕 , 小島 聡子 , 山崎 一人 , 藤本 歩 , 坂本 信一 , 池田 純一郎 , 太田 昌幸 , 今村 有佑 , 佐塚 智和 , 市川 智彦 , 滝口 裕一
Organizer
日本内分泌学会
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